さくら | ほえ? どうしたの? 雰囲気が重そうだけど。 |
小狼 | 大変なことが起こった。 アメリカから俺たちの偽物が上陸してきたらしい。 ひょっとして、俺たちを CCS の世界から 追い出すのが目的かも知れない。 |
さくら | それは大変! 今までカードを集めて、売り出すためにコスプレまでやってきたのに、主役降板なんてやだよぉ。 |
ケロ | 少なくとも、サクゥラ と マディソン・テイラー が紛れている らしいんや。 注1 注2 |
さくら | マディソン って、知世ちゃんの偽物さんだよね。 |
知世 | 私にうりふたつだなんて、気持ち悪いけど、会ってみたいですわ。 そうすれば、2つのカメラで同時に 超絶かわいい さくらちゃんの 姿をあんな角度や、こんな角度、そしてあーゆー角度で撮影できますわ。 至福のシチュエーションですわ! |
さくら | あんな角度って...? |
小狼 | ふん。 そのしゃべり方と、壊れ方から判断すると、ここにいる大道寺は本物のようだな。 |
ケロ | ほな、ここにいる さくらはどうや? ちと、カード出してみ? |
さくら | うん。 |
知世 | いちまい、にまい、さんまい... ちゃんと52枚ありますわ。 |
ケロ | ほな、このカードの名前を読んでみ。 |
さくら | ウィンディ。 |
ケロ | 英語をすらっと読めよったで。 偽物や! サクゥラ や!! 注3 |
さくら | ほ、ほえ〜!! なんでこうなるの? 自分のカードなんだから, 読めて当たり前じゃない。 |
知世 | そういわれれば, そうですね。 |
さくら | ところで、小狼くん。 今 どさくさに紛れて、変な触り方したでしょ。 |
小狼 | お、俺は別に... |
知世 | あの、偽物といえども、あまりにかわいかったもので、つい... |
さくら | 知世ちゃん... でも、信じてよ。 あたし偽物じゃないんだから。 |
ケロ | い〜や! 気を抜いたらあかん! Expect the unexpected や!!注4 |
小狼 | ここにいたか! こいつは ケルベロスじゃない。 キィロ だ!! 注5 |
ケロ | Oh, boy! |
注1) さくらちゃんの名前は、北米版の発音で 「サクゥラ」 です。 注2) 知世ちゃんの北米版の名前はマディソン・テイラー。 しゃべり方が valley girl (コギャル) っぽいと熱烈的ファンからは不評。 注3) 第一話の 「ウィン... ウィン... ウィン.. ディ...」 と言うシーンは、北米版では当然だけど、さくらちゃんは あっさりと 「ウィンディ」 って読めちゃうんですね。 注4) Expected the unexpected は北米版のキャッチコピーみたいなもの。 よくケロちゃんがこの言葉を口にする。 注5) ケロちゃんの名前は、北米版では 「キィロ」 みたいな発音です。 |
さくらは疲れたように部屋に戻ってくる。 | |
ケロ | どないしたんや、さくら。 元気ないなぁ。 |
さくら | さっきテレビで報道番組を見たんだけどね、ストーカーが女の人を 困らせる話があったの。 お父さんと、怖いねって言ってたんだけど、 お兄ちゃんが 「さくらも気をつけろ」 ってうるさいの。 |
ケロ | ふ〜ん。 それで、その 「すとーかー」 ってなんや? |
さくら | ストーカーって、女の人によく電話してきたり、後をついてきたり、 いつもビデオで撮影したりする人のことなんだって。 |
ケロ | な〜んや、さくら、もうおるやないか。 |
藤隆 | さくらさん、お誕生日おめでとう。 |
さくら | ありがとう、お父さん! |
桃矢 | なんだ、今日が誕生日だなんてウソかと思った。 4月1日だもんな。 |
さくら |
むむむ... コホン... まあ、いいわ。 さくら、ちょっと大人になったんだから。 ねえ、ところで、4月1日ってウソをついてもいい日だけど、どうして 「4月バカ」 っていうの? |
桃矢 | それは、おまえが生まれた日だからだろ。 |
さくら | なんですって〜っ! お兄ちゃんの誕生日なんか、4年に一度しかこないんだから、まだ 4歳のクセに! |
藤隆 | ほらほら、誕生日のたびにそんなケンカしないで... |
さくらは東京タワーの入り口で、ドリームを封印したが、 そのカードは小狼の手元に飛んでいく。 小狼はタイムを使っていたので疲れている。 | |
さくら | 李くん、大丈夫? |
小狼 | ああ。 |
苺鈴 |
でも、これは小狼のカードね。 ところで、どうしていつも小狼は、木之本さんに封印させるの? |
知世 | それは、封印の杖をお持ちでないからでしょ? |
苺鈴 | あ〜ら、でも、小狼は剣でカードを使えるのよ。 小狼の剣には巨大な魔力が入ってるから。 |
知世 | そういえばそうですわね。その剣でカードを封印できるんですか? |
小狼 | できることはできる。 (← 本当はどうか知らないけど) |
苺鈴 | じゃあ、どうして小狼が封印しないのよぉ?! |
小狼 | そ、それは... |
知世 | うふふ、そういうことでしたのね。 |
苺鈴 | え、大道寺さん? そういうことって? |
知世 | さくらちゃんが封印すると、風でスカートが巻き上がるからですわ。 |
小狼 | だ、大道寺、それはちが... |
苺鈴 | え? それがなにか... って、小狼!! わたしというものがありながら〜! この浮気者! |
小狼 | 落ち着け、苺鈴! 俺は別に... |
さくら |
ほえ? みんなどうかしたの? ...... [口に指をあてて 首をかしげる] ... ... ほえええええ〜!! 李くん、それ本当なのぉ〜?! |
苺鈴 | まったく、木之本さんはポヤヤ〜ンなんだから! |
知世 | そんな、苺鈴ちゃん。 さくらちゃんは、ふんわりしてるだけですわ。 |
さくら | なんのこと? |
苺鈴 | 大道寺さん、ふんわり と ポヤヤ〜ンではまったく意味が違うわよ。 ふんわりじゃ、トロいってニュアンスが... |
小狼 | おい、苺鈴... |
さくら | ほえ? |
知世 | さ、さくらちゃん? |
さくら | ... ... ひっど〜い、苺鈴ちゃん! あたしのどこがトロいって言うのよ〜?! |
小狼 | 今のタイミングがすべてを物語ってるぞ、木之本。 |
奈緒子 | ねえ, 柊沢くんって、ずっとイギリスで育ったんだよね。 |
エリオル | それがどうかしましたか? |
奈緒子 | イギリスって言えば、紳士の国だよね。 |
利佳 | 確かに、柊沢くんは紳士って感じよね。 |
千春 | ほんと、どっかのバカとは大違いだわ。 |
エリオル | 実際はどうなんでしょう。 自分では、かえって実感がわきませんが。 |
山崎 | でも、マナーとかがあるんでしょ? 例えば、レディーファーストとか。 |
エリオル | 言われてみればそうですね。バスに乗るときは女の人に順番を譲りますね。 |
山崎 | それから、エスカレータの順番もね。 |
エリオル | おや、山崎くんも紳士ですね。 特に、ミニスカートの女性に譲るといいんですよ。 くっくっく。 |
さくら | ほえ? どうして、そこで笑うの? |
知世 | 今度、さくらちゃんの水着のデザインでもしてみようかと思いますの。 |
さくら | ほえ? 水着? |
知世 | ええ。 まだデザインは決めてないんですけど... さくらちゃんの かわいらしさを水の中でも引き立たせたいんです... |
さくら | あのね、知世ちゃん... そんな無理しないで... と言うか、そんなこと 別にいいよぉ。 |
知世 | 自信をもってくださいな。 わたしに任せてください。 さくらちゃんの衣装をデザインすることには2つの意味があるんです... しかも重要な。 |
さくら | 2つの意味? |
知世 | そうです。 歴史的意味と、経歴的意味ですわ。 まず、デザインを通して, 世界中の人に、さくらちゃんの魅力に気づいてもらって、釘付けになって もらうんです。 そうなれば、さくらちゃんは世界のかわいらしさ史に名が 残りますわ。 それから、将来、世界屈指の大道寺トイズ・グループを率いて いくわたしとしては、このデザインこそが、企画力を養う良い場となってい るんですわ! |
さくら | そ、そんなおおげさな... |
知世 | いいえ。 本当に本気ですわ。 いろんな人を魅了するにはどんな、水着にすればよいでしょうか? |
さくら | あの... あのね、まさか、紙でできてて水の中で溶ける水着とかは 考えてないよね...? |
知世 | まあ、さくらちゃん。ナイスアイデアですわ! |
さくら | ほえっ? そんなことしたら、あたし水の中で... |
知世 | いいえ、心配いりませんわ。 思いついたのは、二層構造の水着ですわ。 外側が紙でできてて、水の中で溶けて、すると、内側がでてきて、二枚の 羽根が飛び出す! テーマは「さなぎから蝶への成長」 至高のテーマですわ! こうしてはいられません。 すぐデザインに取りかからなくては! |
さくら | はううう... |
桃矢 | おい、さくら。 来週末、どっか行く予定あるか? |
さくら | 来週末? そうだ。 お友達と遊園地行くことにしてるの。 |
桃矢 | 友達? |
さくら | うん、知世ちゃんと小狼くん。 |
桃矢 | ちっ、あのガキか。 |
さくら | ほえ? |
桃矢 | 遊園地といえば、レストランに、ゲームコーナーに、それから... |
さくら | ねえ、そんなこと訊いてどうしたの? |
桃矢 | いや。 そろそろ、来週末のバイト決めとこうと思ってな。 |
さくら | ほえ? |
雪兎 | ラ・クッチーナ・プロヴィンチャーレが最近つぶれたの知ってる? |
さくら | ラ・クッチーナって、学校の近くのイタリア田舎料理の店のことですか? |
雪兎 | うん、とてもいい店で、いつもお客さんがいっぱいいたんだけどね。 |
桃矢 | じゃ、なんでそんな店がつぶれてしまったんだ? |
雪兎 | さあ。 あの店は、1500円で食べ放題だったから、ホントに残念だよ。 僕、あの店が大好きで、週に3回もあの店で食べてたんだけどね。 |
桃矢 | なあ、ユキ、店がつぶれた理由がわかったよ。 |
さくら | うん、確かに... |
原作によると、小狼くんが観月先生を不審に思っていたのは、
小狼くんがクロウ・リードの遠い親戚で、月の魔力をもっているが、
観月先生の月の魔力がクロウ・リードのものとは異なるからだそうです。
しかも、最後の審判でさくらちゃんがユエを倒す鍵となったわけだから、
なおさら、その理由となるわけです。 ところが、他にも理由があったりして... | |
小狼 | 木之本、何回言えばわかるんだ。 あの先生に気を許すんじゃない! |
さくら | よくわかんないよ。 どうして李くんは、観月先生のことをそんなふうに言うの? |
小狼 | あの先生が強い魔力の持ち主だと言うことは明らかだが... それだけじゃない。 あの先生はどこか怪しい。 |
さくら | あやしい? |
小狼 | ああ、そんな気がする。 というか、なにか寒気を感じる。 |
ちょうどその時、角に隠れて二人をみている女性が。 | |
観月先生 | 李小狼くんか... ホントにかわいいわね。 ふふふ... |
観月先生が、年下の男の子が好みだというのは、 CCS ファンの方ならよくご存じですよね。 ^^; |