寺田 | 今日、CCS大統領選挙の第1月目の開票があり、山崎貴史さんの落選が
決定しました。 山崎さんは、とても個性的な人物で支持と不支持が
両極的に分かれていました。支持者は人をひきつけるユーモラスな演説に
よるものであり、不支持者は演説の荒唐無稽さによるようですが... さて、山崎さんの選挙事務所から中継が入っています。 中川さん、聞こえますか? |
テレビの画面は中継モニタの画面に切り替わり、そこには事務所に立っている 中川容子が映し出される。 | |
中川 | はい、中川です。 今、山崎さんの選挙事務所にいます。 ところで... 視聴者の皆さんは私が誰かわかるでしょうか? |
寺田 | おっと、紹介しておきましょう。 レポーターは、第14話 「さくらと桃矢とシンデレラ」 で活躍された中川容子さんです。 |
中川 | ご紹介ありがとうございます。 さて、今、山崎さんの選挙事務所にいるわけですが、後援会の人々は 落胆した表情を浮かべています。 山崎さんはいるでしょうか...? あ、いました。 落ち込んでいる様子もなく、いたって普通です。 インタビューしてみますね。 |
中川はマイクをもって山崎のほうへ走っていく。 | |
中川 | 今回 落選ということで非常に残念ですが、お気持ちを聞かせてください。 |
山崎 | この結果がすべてを物語っていると思います。 まぁ、ぼくにはまだ敵が 多くいるってことですね。 これからも頑張ってぼくの政策を理解して もらえるようがんばりますよ。 |
中川 | 最初に落選したのは何が敗因と思いますか? |
山崎 | ぼくの演説の一部が原因でしょう。 ぼくが単なるうそつきだと 思っている方もいるようです。 でも、国民をだまそうということではなく、 演説のちょっとしたスパイスみたいなものですけどね。 逆に、最初に 落選してしまったことを光栄に感じたりもしています。 |
中川 | は? おっしゃることがよくわかりませんが。 |
山崎 | 古代ローマ時代には、たとえどんな優秀であろうとも、 ルックスのよい男性は元老院の議員には選ばれることはなかったそうです。 |
中川 | それはどうしてです? |
山崎 | それは、ローマ皇帝が投票を操作していたからです。 カッコいい男性が元老院議員になると皇后がその男性と浮気するかも 知れないと心配したからです。 |
千春 | こら、またそんなうそばっかり! 下のほうにどうしてあんたが 落とされたか投票された理由が書いてあるから見てみなさいよ。 |
山崎 | ははは... 落とされた理由? なんか見るのコワいね... |