作者: tamu-tamu
「なあ、さくら」
小狼が問い掛けるが返事はない。
「はぁ...」
その後はどうしたらいいかも解らず、桃矢が帰ってきたらどうしよう。だとか、 さっきさくらが話していた夢のことなんかを考えていた。 そうしている うちになんだか自分も眠くなってくる。 自分が寝るわけにはいかないと 解っている。 ただ、花のような香りに誘われて、眠ってしまったのだった。
「ただいまー」
案の定、桃矢が帰ってきた。 (今は、1人暮らしをはじめたが、週に一度くらい、 家に帰ってくる) 荷物を自分の部屋に置きに行くと、さくらの部屋の扉が 開いており、誰もいないことに気づく。 その後、喉が渇いたので一階に 降りてみるとまたもや案の定、ソファーで眠っていた二人を発見して しまう。 一瞬拳を握ったが、すぐにほどき、こっそり毛布を掛け自分も床についた。
又、自分は廃墟の広がる世界の中にたっていた。何もない世界だから、 太陽の光が直に当たってくる。 異常に暑い。途中、屋根の残っていた廃墟に 出会ったので、そこに這入 (はい) ってみた。中は意外と涼しい。 そこには、 様々な朽ちた家財道具が散乱している。 足元に写真たてがあったので 拾い上げてみた。なにやら美しい女性が写っていた。「ほえ」
何か見覚えのある人だった。 写真も長年放ってあったのか、一部が 無くなっているし、色も褪(あ)せてきていた。
「おかあさん!」
それは紛れも無くさくらの母撫子の写真だった。 「どうして!」 そう 思いながらも、辺りを見回す。 ここは自分の家ではないのか。 ならば なんでこんなことに。 みんなは大丈夫かなあ。 いったいここはどこなの。 いろんなことが一気に頭の中を走馬灯のように駆け巡った。
「きゃーーー」
「おい、しっかりしろ」「さくら、さくら」
何人かに呼ばれ、ようやく目を覚ました。 目の前には、小狼とケロがいた。 さくらは、今の今まで見ていた夢のことを話した。
注)桃矢は、急用で早朝に家を出た。
「これは、予知夢やないか」
「だったらこの空間は、この世の未来ということか」
「そんなのやだよ」
「だけどどうするにしたって手がかりがすくなすぎる。 もうちょっとなんか、 こう... 役に立ちそうな情報はないんか?」
「そうだ、気配」
さくらは夢の中で感じた気配のことを話す。 それが、知っている 誰かのということも。
「それが誰なのかはわからないのか?」
「解らない...」
三人はその後、月 (ユエ) に逢いにいくことにした。 しかし、途中、さくらが 夢と同じような気配を感じたので、一行はそちらに向かった。 だが、気配は 消えてしまう。 再び月 (ユエ) の下へと向かう。
月 (ユエ) のもとに向かうさくらたち。 そこに突然少年が現れて... さくら達は月 (ユエ) のもとへと辿り着くことが出来るのでしょうか?
この話のすべて (Pro. からEpi. まで) の権利は作者が有します。 (これは、二次創作ですので。) また、作者はCLAMPさまの著作権等侵害する つもりはありません。