作者: tamu-tamu
目をあけると目の前には黄色い浮遊物体… いや、ケロがいた。
「いつまで寝てるんや、今日は特別な用事があるんやないか」
「ほえ… そうだ!今日は知世ちゃんに会いに行くんだった!」
彼女は慌てて着替える。そして朝食も適当に済ませ、家を飛び出した。
さくらは知世の家に向かう。その間、今日見た夢のことが気になっていた。
「ごめーん遅くなっちゃった」
今日は、以前から知世によばれていた日だった。
「今日は、さくらちゃんに逢わせたい人がいますの」
「ほえ…」
そう言って知世は自分の部屋に通した。其処には見たことのあるような人が 座っていた。 同い年くらいで、栗色の髪をした男の子…
「小狼君!」
久しぶりの再会に喜ぶ二人、 (勿論知世が小狼を呼んだ) だがその横で、 知世は無線を手に呟く。 「作戦S始動ですわ」
注)怪しげな名前だが作戦SのSとは、 さくら・小狼の頭文字。 深い意味はない。
と同時に急に部屋が暗くなる。 まだ昼のはずだが… 言うまでもなく知世の仕業。
「何があったの」
「落ち着くんだ、さくら」
「な、なんでしょうか」 (と言いながら懐に隠し持っていたカメラを構える。)
《電気がつく》「何だったのかなあ」
「さあな。でも無事でよかった」
「知世ちゃんも大丈夫?」
「ええ、何とか。いいシーンはばっちり捉えましたわ」
「何か言った」
「いえ何も。 そうですわせっかく逢えたんですし、 小狼君、さくらちゃんの家に行ってみてはいかがでしょう…」
これも知世の企てである。 事前にさくらから、桃矢のスケジュールを聞き出し、 遅くまで帰らない日を選んだのだ。 結局、知世が強引に小狼をさくらの家に行かせたのだった。
さくらの家に小狼が行くのは実に五年ぶり。 少し緊張気味… さくらも小狼が来て嬉しいのだが、少し緊張していた。 五年前のように 紅茶をいれ、二人で何か話している。 途中さくらは昨日見た夢のことを話した。
「小狼君はどう思う?」
「それも予知夢なんじゃないのか」
「そうかなあ、私はこんなことになって欲しくないけど…」
「それもそうだな」
「なあさくら、夢の中で感じた気配ってなんだったんや」
「それはね…てケロちゃんいつからいたの」
ケロはさくらにおかしをねだりにきたが無理そうなので話をきいていたのだ。
「そういえば小僧は何でいるんや…」
「知世ちゃんが呼んでくれたの」
「ふーん。で、気配っちゅうのはどんなんだったんや」
「なんだか前から知ってる人。でも誰だかは解らない」
「そうか…」
さくらがふと時計を見るともう11時をまわっていた。 そういえば 知世ちゃんから、小狼君の寝床をどうするかは聞いていない。 いったいどうすれば… そう考えるうちに自分のほうが眠くなってしまう…」
以上、第一話です。なんか中途半端な長さになってしまいました。 又、これを 読んで何故小狼君を知世が呼んだのかはよく解らないのではとおもいます。 それは 今後明らかにしていきましょう…。 では、第二話もお楽しみに…