はじめに

ボールド体 は、話しているキャラクタの名前。
イタリック体は 思っていること。
インデントしていない文章はト書きです。


さくらとケロと大阪で

第 4 章

作者: MiROiR


さくら 塔...? あれ、この塔...
昨日と同じ夢...?
やっぱり、誰かいる... 誰...?
さくらは、夜中に目が覚めてしまった。
さくら [小声で] ほえ? まだ、夜...?
さくらは部屋の時計を見た。 暗くてわかりにくかったが、 午前2時だとわかった。 日本の俗信で、草木も眠るとされる 「丑三つ時」 である。 このことと、さくらが目を覚ましたこととの関係は不明だが、 何か意味があるのだろうと、さくらは思った。 気にはなったが、時間が早すぎるので、また寝ることにした。
さくら ほえ...? お城? ここはどこ...?
てっぺんに誰かいる... 誰? なんでここに...?
翌朝。さくらが目を覚ますと、彼女の目に飛び込んできたのは!
さくら ほえええええええええ〜〜〜〜〜〜!!!!
ケロ わわっ、いきなりなんちゅう声だすんや〜〜
さくら いきなりドアップはやめてよ〜〜
ケロ せやかて〜、もう8時半やから起こしたってんで〜
さくら [今の時刻を聞いて] ほ、ほえええええ〜〜〜〜!!!!
ケロ っておい、さくら〜、ほんま朝弱いねんな〜。 で、さくら、 なんか寝言言うとったなあ。
さくら うん... 昨日と同じ夢を見たの。 なんだかよくわからないけど、 2時ごろに目が覚めちゃって、また寝たら 今度は見たことのないお城の夢だったの。
ケロ さくら、そら予知夢やで。 そのお城、どんな感じやった?
さくら えっと...
さくらは夢で見た城の特徴を説明した。
ケロ うーん... そら大阪城とちゃうか?
さくら 大阪城...?
そこに知世と舞麗が来る。
知世 さくらちゃん、朝ごはんが出来上がってますわ。
さくら はーい、今行く!
朝食を終えると、3人と1匹は環状線で問題の城---大阪城へと向かった。 今日は朝から天気が悪い。 今にも雨が降り出しそうだ。 そのせいか、 夏だというのに、涼しい。 大阪城には、なぜか人がいない。 今日は 開いていないのだろうか...? そう思ったとき...
ははは、よく来た。 そのまま天守閣に来るのだ。
さくら ...
来るのか、来ないのか? 来なければこうだ!
すると、にわかに雨が降り出し、三つ数えるのちに雷が落ちた。
さくら ほええっ!
ケロ さくら、びびったらあかん!
知世 ほら、さくらちゃん、がんばって!
さくら う、うん。 封印解除! 「翔」!!
さくらの背中に翼が生え、彼女は単身、大阪城の天守の上に飛んだ。
天守の上に着いたさくら。そこで待っていたのは、なんと、金 舞麗と 同年代の少女だった。
さくら あ... あなたは...?
少女 私...? 私は朴 (パク)・ノエル。 あなたなら協力してくれるよね。
さくら え...?
ノエル 千年に一度、大魔王オムニテネブリアが 降臨するって聞いたの。 そのとき、世界は闇に包まれる... って言われてるの。 そのオムニテネブリアが降臨する日が今日だっていうことはわかったの... 今日の夕方あたり...
さくら あたしたち、どうなっちゃうの?
ノエル オムニテネブリアってね、今まで何度も勇者たちが封印してきたんだ。 でもその封印はもうあと半日ももたないの。だから、私たちがまた 封印するしかないの。
さくら もし、失敗したら...?
ノエル 世界が闇に... ううん、こればっかりは、言いたくないの。
さくら ...
ノエル でも、あなたならきっと大丈夫。 あ、そういえば、 名前聞いていなかったね。
さくら 私、さくら... 木之本桜です。
ノエル そう... それより、何か感じませんか?
さくら うん... かすかだけど、何か恐ろしいものが。
ノエル 木之本さん、魔王降臨まであとどのくらい残っているか、 もうちょっと詳しくわかる?
さくらは目を閉じ、しばらく瞑想したあと、口を開いた。 さくらの 予知能力である。
さくら 今日の... 午後... 5時ぐらい...
ノエル これは思っていたよりも早いわね...
そうですか... さあ、行きましょう。 時間はあまりありませんよ。
ノエルは瞑想し、さくらは「翔」のカードを使って、 知世と舞麗の待つ、城の外へと戻った。

続く

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