ボールド体 は、話しているキャラクタの名前。
イタリック体は 思っていること。
インデントしていない文章はト書きです。
作者: geng-kaat31 さま
地下鉄御堂筋線、本町駅。大阪地下鉄の中でもメインとなる路線であるだけあって、 ホームには人が多い。なかもず行き下り電車の入線アナウンスが 入る。さくらたちの乗った電車が到着したのだ。 | |
藤隆 | さくらさん、思い切り楽しんできてくださいね。 私は少し 調べものをしに図書館に行きたいから、ね。 |
さくら | うん。 |
藤隆のいう図書館とは、西長堀にある中央図書館のことである。 天保山に
行くさくらたち一行はこの本町駅で乗り換えだが、藤隆は一駅先の心斎橋で
乗り換えである。 さくらたちはここで藤隆と別れて、
中央線へ乗り換える。 道中何事もなく、大阪港駅に着いた。 大阪港駅からしばらく歩いて、天保山の水族館に着く。 | |
さくら | ほえー、大っきいねー。 |
ケロ | これがジンベエザメっちゅうやつか。ほんまでっかいなー。 |
さくら | しーっ、ケロちゃんっ。 |
さくらたちはジンベエザメを見たことがなかったので、
その大きさにしきりに感心している。 いつの間に出てきたのだろうか。ケロはさくらの肩の上にいる。 | |
雪兎 | 本当に大きいね。ぼく、こんな大きな魚見たこと無いよ。 |
確かにその通り。 ジンベエザメは現在魚類で一番大きいといわれている。 | |
知世 | 本当に大きいですわね。 |
お約束のように、知世はビデオを回している。 しばらくして。 | |
さくら | あれ? 小狼君と苺鈴ちゃん、いないよ。 |
知世 | 先に行ってしまわれたのではないのでしょうか。 |
桃矢 | 心配すんな、さくら。あのガキのことだ。 |
そんなこんなで一行は水族館から出てくる。 しかし、さくらはいつもより 深刻な表情をしている。 | |
さくら | やっぱり小狼君、いないみたい... なんか、嫌な予感がするの。 |
ケロ | こりゃちょっと、まずいんちゃうか。 |
さくら | 何かわからないけど、何かの気配がするの。 |
知世 | それはどちらの方角ですの? |
さくら | 遠くてはっきりとはわからないんだけど、あっちのほう。 |
さくらはある方向を指差す。そこで知世は地図を調べる。 | |
知世 | 北東の方角ですわ。 |
するとさくらはケロをカバンの中に入れて走り出した。 それを 追うように知世も走る。 | |
さくら | ごめんねお兄ちゃん、それから雪兎さん。 |
桃矢 | おい、さくら? |
雪兎 | ...... |
桃矢 | さくらに何かなければいいが。 |
さくらと知世は大阪港駅に戻り、また地下鉄 (といっても ここら辺は高架だが) に乗る。 下り列車、生駒行き。この電車に乗り込んだ。 | |
さくら | ...... |
さくらが感じる気配は時間とともに強くなっていった。 そして弁天町駅に 着く瞬間... | |
さくら | 降りるよ、知世ちゃん。 |
そして弁天町から気配がするほうへ走る。近づくにつれ、 人気(ひとけ)がなくなってくる。さらに走る。すると、 | |
さくら | わーーっ!! |
曲がり角で誰かとぶつかった。 中学生か高校生くらいに見える少女である。 | |
さくら | あ... あの... 大丈夫ですか? |
少女 | クェンチャナヨ。 |
さくら | ほえ? |
少女 | あ... 韓国語が出ちゃった... 大丈夫ですよ。 |
どうやらこの少女は在日韓国人らしい。 | |
さくら | なんか... はじめて会った感じがしない。 |
少女 | Emotionこの子... どこかで会った様な会ってない様な... 何かの縁かもしれない。 |
さくら | ...... |
少女 | それも深い縁がありそうだ... いずれこうなる運命だったんだろう。 |
少女 | あ... あの... |
さくら | ほえ? |
少女 | き... 金 舞麗 (キム・ムリョ) です。 これから... あの... その... |
知世 | あらあら韓国の方ですわー |
さくら | ? |
舞麗 |
サランヘヨ、じゃなくって、えっと... よろしくおねがいしますっ。 |
さくら | あ、私、さくら。 木之本桜です。 よろしくね! |