さくらのLOVE旅行記

作者: momoironosizuku

第1章

「はう〜、明日だよ〜。 なんか緊張しちゃうよ〜。 だって5年ぶりなんだからぁ。高 校生だね。」 カレンダーをながめ、旅行かばんを片手に落ち着かないさくらをケロが なだめようとしている。 「なぁさくらぁ、落ち着かんは分かるけど、さっさと準備 しぃ、なっ。」 そんなケロの言葉も聞いていないようだった。うろうろしたり、ため 息をつくばかりだった。そして数日前のことを思い出していた。 今思えば知世のやり そうな事だと分かったはずなのに。

さくらのケータイに電話がかかってきた。 「もしもし、さくらです。 あっ、知世ちゃ ん。どうしたの?」 『あの、さくらちゃん、この先特に予定はありますでしょうか ?』 「ううんないよ。どうして?」
『春休みですし、2泊3日ぐらいでさくらちゃんとご旅行にいきたいのですが... ホテルは私が取らせて頂きますからよろしいですか?』 「うん、知世ちゃんと私? 今度うちに来て計画立てようよ。」 『あと特別なゲストをお連れしますわ。おほほほ。』
「ほえ? だれ? ... 切れちゃった...」

しばらくして知世が遊びに来て計画を立てた。お当番と重ならない日とかで 3月31日と4月1日になった。 というよりも知世がさくらの誕生日に 無理に合わせたというほうが近 かった。 場所はお花見の名所と遊園地と水族館とかがくっついたようなテーマパーク になった。 知世の持ってきたそのパンフレット見るとカップルにオススメ! などの文 字が見えたが、あの鈍感なさくらが気づく訳もなかった。 さくらはケロも行かないかと 誘ったが、ケロは知世をちらりと見てじゃまやからえぇわ、と断った。 「ほら、見 て、見て! 乗り物もいろいろあるし、あっここのパフェおいしそ〜。」 とさくらはは しゃいでいた。ケロはつばをごくんと飲んだが、知世に首を振られた。

そして旅行1週間くらい前、知世からまた急に電話がかかってきた。 『あのう、さくら ちゃん今度の旅行、私母の会社の都合でいけなくなってしまいましたわ。』 「え〜、 じゃぁ旅行中止?」 『いいえ、ホテルもとってしまいましたし、それに特別なゲスト さんもいらっしゃいますわ! 私は行けませんがたのしんでらしてくださいそれでは! おほほほ。』 「知世ちゃん、特別なゲストって... また切れちゃった...」 ケロはくすくす笑っていたがさくらには見えなかった。

旅行2日前、知世は今度はメールを送ってきた。

さくらちゃんへ

特別なゲストをお知らせする日が来たようですわ。
実は香港からのお客様ですわ。
ヒント: さくらちゃんがよくご存知のかたですわ。男の子ですわよ。
それでは、おほほほほ。ご旅行にコスチュームをおつくりしましたから!

ここまで言われて気づかないはずはない。 さくらは頬を赤らめた。 李小狼だ。 あの5年前の遊園地の出来事の後、帰ってしまい、一度も会っていなかった。 彼氏的存在の小狼と旅行ということはつまりデートを意味していた。 さくらは この5年間ずっと小狼の事が忘れられなかった。 会いたくてたまらなったし、 今でも好きだったからだ。 でもいきなり2人で旅行と言われて動転しない人は まずいない。 たった2日間さくらは心臓のどきどきが止まらなかった。

いよいよ旅行の日だ。 さくらは知世に着せられた服をながめていた。 白の細かい花模様のスカートの短いワンピースに、あちらこちらに さくら模様が刺繍された薄い桜色の上着、それから、きみどりのパンツ。 照れながら小狼の来るのを待った。 さくらは気がついてないが、 後ろにさくらの専属カメラマンと黄色のぬいぐるみがいた。レンズを光らせ、 「さくらちゃん今日もかわいすぎますわ〜。」 「さくらと小僧のデートか。 見る価値ありやな。」 とささやくのだった。知世の「あっ、来ましたわ。」 の声 に二人の会話はおさまった。 栗色の髪の茶色い瞳の背の高い美青年がきょろきょろし ている。ちょっと頬が赤いのですぐ分かった。さくらはあまりにもうれしくて、「小 狼く〜ん」と叫び小狼に飛びついた。 さくらは頬と目を赤くしてないていたが、小狼 の頬はもっと赤かった。 小さく「さくら...」というとさくらの可愛さに釘ずけに なっていた。 さくらにハンカチを渡すと「そろそろ行くか。」といいさくらと腕を組 んで歩き出した。さくらたちの旅行は、始まったばかり...

つづく

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