時の道すじ

原題: Time Paths Linked by Love
原作: Sapphire Moon 91
翻訳: Yuki Neco

プロローグ: 愛する者の死

彼を失ったのは15の時。 二人で未知の力と戦っていたその時、突然、 死が襲ってきた。 私たちにはどうすることもできなかった。 これは エリオルくんが言ったことだけど。 頭ではそれをわかっているけど、 心では納得できない。 彼の葬儀の後、知世ちゃんは生き残ったものが感じる 罪悪感で、仮に彼が生き残り私が死んでいたなら、彼が今の私と同じ 心境になっていただろうって、必死に説明してくれた。 でも、実際、 彼は私を守るために死に、生き延びることができなかった。 私が考えられるのは そのことだけ。 彼はいない。 木之本桜のために、命を奪われ、李小狼は 死の宣告を受けた。

彼はいつも私を助けてくれた。 子供のころ、クロウカード集めに先を争っていた 頃でさえ。 クロウカードを目の前にして、おびえて立ち上がることもできず、 心が壊れてしまうくらい泣いていると、彼はそばにいて、私を叱り、 落ち着かせてくれた。 どうしようもなくなって、恐怖で緊張して、 目の前の恐怖から自分を守るための魔法さえ使えなくなった時、小狼は 自分を犠牲にして私を守ってくれた。 彼を亡くして、私には人生の 明るい面が見えなくなってしまった。 笑うことも難しく、もし笑ったとしたら、 彼に死なれた私がどれだけ幸せなのだろうって考えてしまう。 私は常に 彼のことを考えて続けるだろうし、彼を忘れて笑顔を振りまくなんてありえない。

その後の私の十代は、昼は学校の勉強をがんばり、夜は、さくらカードの魔法や、 小狼やエリオルくんが使っていた魔法を習得した。 それから、十代の間に私は 成長して、17歳で高校を卒業し、そのまますぐに大学に入学した。 24歳の今では、 香港の大企業でマーケットリサーチをしている。 でも、ここで普通の生活を 送ろうとしている私に再び大きな事件が起きる。

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