免責事項

みなさん、「運命の守護者」 第1章が始まります。 この章では 青い目の総序の正体がわかり、さくらちゃんとケロちゃんもやっと 登場します。 始める前に、Idiot 1988 さまの質問に答えておきます。 このフィックには レモン (エッチな話) は一切含まれません。 でも、この春の最後に出した私の次回作 “Night of Love and Forgiveness,” にはレモンが含まれます。

では、第1章 始まります! ^_____^

-EcuaGirl

運命の守護者

Rating: PG

原題: Keeper of Destiny
作者: EcuaGirl
翻訳: Yuki Neco

第1章

「うわぁぁ!」 うたた寝をしていた青い目の少女は、叫び声をあげて起きた。 彼女は息を切らし、顔から汗が流れている。 深呼吸をすると、ようやく、 それが夢であることを認識した。 少女は涙を拭いてベッドから立ち上がった。

顔だけが白く、耳がとがって、尾が螺旋状に巻いた黒い犬が、その13歳の 少女に飛びついて、彼女の顔をなめた。 少女はくすくすと笑い、 幸せそうに飼い犬を見た。 彼女は、その犬の耳をくすぐって、キスをすると、 着替えと朝食の準備をするために立ち上がった。 その褐色の髪を肩に掛かる くらいのお下げ髪にして、その青い目の少女は、ライトブルーの上着の セーラー服を着て、カーキ色のスカート、ハイソックス、それから、 黒い靴を履いた。 少女が部屋から出ようとすると、飼い犬が話しかけてきた。 [作者: その少女が飼っているのは 喋る犬です。]

「カーリ、ちょっと待ってくれよ。」 と犬が言うと、青い目の少女は 部屋に戻り、犬の前に膝を下ろした。 「今朝は顔に汗をかいて、涙を流しながら うなされてるのを聞いたけど、またあの予知夢を見たのか?」 と、心配そうに その犬は尋ねた。 カーリはうなずいて、その犬のような守護者ユィンには 隠し事ができないと思った。

「ユィンは、いろいろわかってるようだけど... 私たちの主の怒りから 逃げ出すにはまだ不十分だわ。」 と、カーリは悲しそうな口調で言って、 ユィンから目をそらした。

「カーリ、心配なく。 じきにわれわれの時が来るよ。」 とユィンは言ったが、 カーリは、それを聞いて混乱した。 「カーリの見た夢について少し話してみて。」

「夢には三人出てきた。 黄金の瞳をした羽の生えたライオンに、 銀色の長い髪で青い目をした天使、奇妙な服を着て星の杖を持った女の子。」 と、カーリは説明した。

「ちょっと待って。 ライオンに、天使に、杖を持った女の子? それって、ケルベロスに、ユエ、そして... 新しいカードの主のことでは ないのか? もし、新しい主だとしたら、われわれの主はお気に召さないはずだ。」 と、ユィンは怒ったような表情で考え込んだ。 考え込むユィンの顔の前で カーリが手を振ってみた。

「ちょっとぉ! ユィンってば!」 と、カーリは声をあげて、ユィンの注意を 引き戻そうとした。 ユィンは、その青い瞳の少女の声に驚いた。 「ちゃんと聞いてよ。 まだ、最悪の事態だと入ってないんだから。」

「わかったから、カーリ。 でも大声出すことないだろ。」 と、ユィンは答えた。

「ごめんね、ユィン。」 と、カーリは謝り、その犬の姿をした守護者に 夢のことについて続きを話した。

**********

目覚まし時計が鳴り出し、寝ていた褐色の髪の少女を起こした。 少女は毛布にくるまって寝返りを打って、壁に顔を向けた。 彼女はすぐには起きたくなかったが、その日は家事をしなければ ならなかった。 主の寝起きが悪いのを知っていたので、 小さな翼をもった喋る黄色いぬいぐるみは、少女のところに飛んでいき、 深呼吸をした。

「さくらぁ! はよ、起きんかい!!」 と、ケロは叫んで、緑色の目をした少女は 驚いて起きる。

「うわぁぁ! ケロちゃん!!」 と、さくらは声をあげて上体を起こした。 その太陽の守護者にいらついている。 「なんで、そんな大声出すのよ? それよりも、もう少し早く起こしてくれればいいのに!」

「わるいな、さくら!」 と、ケロは皮肉っぽく言った。 「目覚まし時計の音が聞こえんかったかもしれんけど、 今、何時か見てみぃ!」 と、ケロは8時になっている時計を指さして、 大きな声で言った。 さくらは急いでベッドから出て、バスルームに 走っていった。

風呂から上がると、さくらは歯を磨き、服を着替えるために寝室に戻ってきた。 さくらがドライヤで髪を乾かしていると、ケロがその隣に飛んできて、 自分の姿を鏡に映して見ていた。 ケロが空中でモデルのポーズを やったりしているのをみて、さくらは吹き出してしまった。 そのうち、 キッチンからおいしそうな匂いがしてきた。 その日は、さくらの父 藤隆が 朝食を作っていた。

「やった!! ホットケーキやぁぁ!!」 と叫ぶケロを見て、さくらは ケロがおなかをすかせているとわかった。 さくらは笑って、ケロの反応を見ていた。 「さくら、わいの分もホットケーキおねがいな。」

「ケロちゃんったら、自分のおなかの心配ばっかりなんだから。」 と、 さくらはおなかをすかせたぬいぐるみに言った。

「それは違うで。 わいは、ホットケーキ持ってきてくれるかなって、 さくらのことを心配しとるんや。」 と、ケロはにやりと笑いながら答えた。

さくらはギャグ顔になって汗をかいた。 ケロは、そのハチミツ色の 髪の少女が起きると、毎朝、腹をすかせていた。 前の晩に、自分と二人の守護者、 それから、蔓 (つる) に捕捉されている少女が出る奇妙な夢を見たことを さくらは思いだした。 しかし、その夢に混乱しているので、はっきりと したことが言えなかった。 それがさくらとなにか関係があるのだろうか? 関係があるとすれば、それは予知だろうか? 緑色の瞳の少女は 深い考えに入り、ケロが顔の前で手を振っているのに気づかなかった。

「これって、未来のことを予知してるのかなぁ? どうして、あたしが そこにいたんだろう? あの女の子は誰? そうだ! あの闇の中の 変な男の人は誰なんだろう? 家のお仕事が終わったらケロちゃんに話さなきゃ。」 と、さくらは強く思った。 さくらは本能的に、なにかよくないことが 起きるような気がしていたのだ。

「おい、さくら!! そんなボーっとしてどないしたんや?」 と、ケロが声をかけた。

「ほえ? あ、ケロちゃん! ごめんね。 ちょっと... 考えごと してただけ。」 と、さくらは答えた。

「で、朝飯食べに行くんやないんか?」

「いっけない! そうだった。」 ケロがホットケーキを持ってきてくれるように いわないうちに、さくらはキッチンに駆け下りていった。

**********

ちょうどその時、木之本家から数軒先の道ばたに黒髪の奇妙な人物が立っていた。 その人物は、黒いトレンチコートを着て、黒いスラックスに、 茶色い靴を履いていた。 ジャケットの襟に顔をかくし、誰にも正体を 気づかれないようにしていた。 左手には、神秘的な感じのコンパスを持っていた。 [作者: 小狼くんの羅針盤のような感じの、ちょっと小さいやつです。] 右手には、黒い丸と、てっぺんにとげのある鍵を持っている。 男がその鍵を見ると、突然鍵が光り出した。

「ふっ、鍵が例のオーラをかぎつけたようだ。」 と、その男は神秘的な声で 喋った。 「そのオーラはピンク色の光を放ってるみたいだ。 ひょっとして...」

そう言うと、男はにやりと意地の悪そうな笑いを浮かべた。 オーラを感じると言うことは、その男が、ピンク色のオーラを持つ誰かを 発見したということだ。 男はコンパスを使って、そのオーラの持ち主が どこにいるのかを探そうとした。 呪文を小声で唱えると、コンパスが 光り出し、針の一方から白い光線が出て男の目の前を指す。 光線が指す方向をたどっていくと、黄色い家にたどり着いた。

「私の調査はここまでだな。 あとは、私の手先がこれに気づいて くれるのを待つだけだ。」 男はにやりと笑う。 「ユィン・ヤンとシャオ・シン は、私がクロウカードの主を見つけたと言ったら喜ぶだろう。 ケルベロスとユエは 私のことがわかるだろうか? どっちにせよ、私はクロウ・リードを知っていること に変わりはないが。」 男は邪悪な笑いをしていた。

そのピンクのオーラの位置を見つけるとすぐに、その男は立ち去った。 ただ、もう一度だけ、その場所をちらりと見て、男は家路につきながら 気味の悪い笑いを浮かべていた。 男に気づかれていないが、 ケロはその男の気配に気づいていた。 その男に、暗く、悪意を感じる気配が 漂っていたということを。

**********

ケロは窓から外を見て、その奇妙な男を見ていた。 その人物を見たとき、 クロウ・リードの気配が男から感じられた。

「そんなアホな! 外からクロウの気配がするとは。 クロウは死んだんや。 でも、なんで? まさか... ありえん! あいつのわけでもない! クロウの弟も、クロウよりだいぶ後やけど、死んだはず。」 と、ケロは 首を振りながら考えた。 「しかし... やつの闇の力を感じる。 待てよ。 闇の力? クロウのオーラは黒じゃなかったな。 弟の力だ。 おっと... さくらも同じように力に気づいたやろうか...」

ケロは部屋の中を回り始めた。 ケロは自分が感じた黒い気配のことをさくらに 知らせようと思った。 幸い、さくらも同じように気づいていた。 ことの成り行きが厄介になりつつあった...


この章が出るのに、ちょっと時間がかかってごめんなさい。 2ヶ月くらいだったですね。 ところで、面白かった? つまんなかった? わたし的にはそんなに面白くできたとは思ってないんです。 さて、次に行きましょう。 次章では小狼くんと知世ちゃんが登場します。 苺鈴ちゃん、ユエ、エリオルとその守護者たちはその後の登場です。

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