I love You

作者: EcuaGirl
翻訳: Yuki Neco

Rating: PG-13

あらすじ

さくらと小狼は12歳の時以来、会っていなかった。 あれから4年経つものの、 さくらは、小狼の夢を見たり、考えたりしつづけていた。 ある晩、 さくらは、小狼と一緒のロマンチックな夢を見るが、 次の日に現実の出来事に。

免責事項

作者は、Cardcaptors のキャラクターに対して いかなる権利ももっていません。 キャラクターの著作権は Nelvana および 講談社に帰するものであり、 カードキャプターさくらの著作権は CLAMP が所持しています。 また、 Faith Evans の “I Love You” という曲に関しても、 作者は一切関与していません。

記号

「文字列」 – 台詞
『文字列』 – 思ったこと
文字列 – 歌詞
[作者: ---] – 作者 記
~*~*~* – 回想シーン
~~~~~~ – 夢の中のシーン
***** – 場面の切り替わり

第1章: 夢の中の少年

友枝町の、ある星降る夜、桜木通りに16歳の美少女が住んでいた。 [作者: 念のため、その美少女が住んでいる地名は勝手につくったものです。] ハチミツ色の髪の毛に、明るいエメラルド色の瞳をした少女は 部屋の中で座って、窓の外の星空を見ていた。 既に夜の11:45になっていたが、 彼女はまったく眠れず、明日何をするかということだけでなく、 4年前に町を去った 褐色の髪をしたカッコいい少年のことを 考えていた。 その さくらという名の少女は、さくらカードの主で、 愛情あふれる家族と、よい友人に恵まれ、星條高校の二年生だった。 でも、 一つだけ満たされていないこと、というよりも、すぐにでも会いたい もっとも好きな人がいた。 さくらは、香港にいる褐色の瞳をした少年のことばかり 考えて、ラジオをつけて、すきなチャンネルに合わせた。 さくらは、 ちょうどラジオから流れる恋愛歌を聴き、彼女の恋愛に対する興味を 一層くすぐられていた。 歌を聴くうちにため息が漏れ、6年前に出会った ときのことを思い出していた。

~*~*~*~* 回想 ~*~*~*~*

[作者: この回想シーンは、最後の審判の直後のシーンです。 その時、 さくらは知世が作ったコスチュームを着ていて、小狼は緑色の 中国服を着ていた。]

最後の審判が終わってから、その10歳の少女はクロウカードの持ち主となり、 その後、彼女はそのカードをさくらカードに変換することとなる。 振り返ると、 同い年の二人が背後から名前を呼んでいた。 そのうちの一人、黒髪で青い目の 少女は知世、さくらの親友である。 知世の隣にいるもう一人は、クロウ・リードの 親類にあたる栗色の髪をした少年で、さくらがずっと想いつづけている少年である。

「さくらちゃん!」 と、知世が大きな声でさくらを呼んでいる。 さくらは後ろを向いて、 走ってくる二人の友達を見た。 さくらは、二人に微笑み、二人は最後の審判が 終わって嬉しそうで、また、さくらが大丈夫かどうか心配しているように見えた。

「あたし、やったよ!!」 と、さくらは両手を広げて、小狼と知世の方に走りながら、 大声で言った。 さくらは小狼の手をとり、その場でクルクル回った。 知世は、 さくらと小狼がくすくすと笑いながら、手と手をとってその場で回っているのを見て、 おかしいような驚いたような表情でそれを見ていた。 出もその光景は長続きはせず、 運悪く、さくらのせいで小狼がつまずいて、文字通り小狼は後ろに 倒れる。 その瞬間に笑いは消え、さくらはその中国人の少年の脇に膝をついた。

「李くん、大丈夫?」 と、心配そうにさくらが訊く。

「あぁ... 大丈夫だ。」 と、上体を起こしながら小狼は答えた。 さくらは 小狼に何か言われるんじゃないかと思っていたので、むしろ驚いた。 逆に、 小狼は、さくらの瞳を見て、微笑み返した。 驚いたようなさくらの表情は、 安心と幸福の表情に変わり、さくらも微笑んだ。

~*~*~*~* 回想 終わり ~*~*~*~*

以前のさくらは、兄の桃矢の親友、雪兎のことが好きだったが、最後に審判以来、 小狼のことばかり考えるようになっていた。 雪兎のことは過去のことで、 今とは違う。 ぬいぐるみそっくりの太陽属性の守護獣ケロがそばにいたとしても、 さくらは、なんとなく、憂鬱な寂しさを感じていた。 ラジオからは、 恋愛歌が流れ続け、さくらの意識はその歌に引き込まれていた。 ケロでさえ 耳を傾けてしまうその恋愛歌に、さくらは催眠術にかかったようになっていた。 さくらは、その恋愛歌に合わせて歌い出し、予想さえしてなかったケロは、 驚いて10センチほど飛び退いてしまった。

「大好き あなたがほしい...」 と歌いながら、さくらの目は潤んでいく。

「どわぁ! おどかすな、さくら!」 と、ケロはビックリするが、 さくらにはそんなことも気づかない。

「あなたは私が好きな人 もうがまんできないの 大好き...」

「さくらぁ。」 と、ケロが読んでも、返事が返ってこない。

「あなたにいてほしい 私にはあなたしかいないって どうやったらわかってくれる...」

「さくら!!!」 ケロは声を張り上げ、そうして、ようやく、さくらはトランス状態から 抜け出した。

「ほええええ... ん... え?」 と叫んで、さくらは意識を取り戻した。

「さくら、今 何時やと思っとんのや? 11時55分やで。」 ケロは、 さくらの目覚まし時計を指さして大きな声で言った。 時計は確かに 11時55分を指していた。 次の日 (土曜日) にいろいろとやることが あったのを思い出し、さくらはハッとした。 歌はまだ流れていたので、 ケロはさくらが眠れるようにと、ラジオを切った。 どうして、さくらが 深夜にラジオをつけて恋愛歌を聴いていたのか、ケロには察しがついた、 未だに、小狼を忘れられないというのが理由だった。 その疑いを無視できず、 ケロはさくらから真実を聞くことにした。

「なぁ、さくら。 まだ、あの小僧のことを考えとるんか?」 小狼のことが好きでは ないケロは、あきれたようにさくらに訊く。

「ケロちゃん! 李小狼くん。 もう小僧じゃないんだから!」 とさくらは言い返す。 小狼に会うことができないと言うだけでなく、未だにケロが小狼を 悪く言うので、さくらはきまり悪さを感じた。 「で、質問の答えだけど、 小狼くんのことを忘れられないの。」 と、さくらは静かに答えた。

「あっ... なんや、わるかったな、さくら。 その...」 と、ケロは誤ろうと したが、それをさくらがさえぎった。

「いいのよ、ケロちゃん。 もう会えないんじゃないかって... そう思って。」 と、 さくらは静かに、寂しそうに答えた。 左目からひとすじの涙がこぼれ、 さくらはため息をついた。 さくらは、自分の好きな人たちに、ずっと本心を隠し、 明るく振る舞っていたのに、本当は辛かったと知って、ケロはさくらに 申し訳なく思った。 さくらが抱えているジレンマをどうしてやることもできず、 ケロもため息をつく。 さくら自身も、いつまでもくよくよしていないで、 乗り切る方法を見つけないといけないとわかっているが、ため息が漏れる。 「でも、ケロちゃん。 あたし、小狼くんのこと忘れた方がいいんだよね。 小狼くん よりも好きな人が見つかれば。」 さくらは、涙を拭きながら、強い気持ちで言った。

「その意気や、さくら!」 と、嬉しそうにケロは叫んだ。 「それに、わいが チョコレートプリンを食い損ねた時みたいに、小僧のことを悩むさくらを 見るのは、わいもいやや。」 と、かわいい守護獣が言うのを聞いて、さくらは 汗をかいた。

“もう、ケロちゃんったら。” と、さくらはふくれっ面で言って、 くすくすと笑った。 そして、二人とも笑った。 笑うと、緑色の瞳の少女の表情は明るくなった。 自分の主が少なくとも 元気になったので、ケロは嬉しくなった。 しかし、笑いが終わると、 二人はまた、ため息をついた。

「よしゃ、さくら。 もう寝る時間やで。 もう12時まわっとる。」 ケロは、12時を指している目覚まし時計を指して言った。 さくらは、 あっと声をあげる。

「ああっ! 明日は知世ちゃんとお買い物に行く予定だった!」 さくらと知世は、 次の日の予定を立てていて、買い物に行って、桃矢の店で食事をして、 ペンギン公園に寄っていくことにしていた。 [作者: このフィックでは、 桃矢と友達の雪兎は、一緒にレストランを経営していることになってます。] それで、さくらは、毛布に体を包み込み、ねっども潜り込んだ。 ケロも、 小さな家具をおいた引き出しの中の部屋に戻っていった。 二人は、「おやすみ」 と 言うと眠りに就いた。

しかし、さくらは依然と小狼のことばかり考えて、眠れない。 明らかに、 さくらは どうしようもないくらい、小狼に会いたいと思っていた。 最後に会って もう4年、それは、53枚目のカードを捕まえた12歳の時以来だった。 そのカードは 人から大切な気持ちを奪う力をもち、52枚のクロウカードをすべて合わせた力をもつ カードだった。 もうちょっとで小狼から愛を奪いそうになり、さくら自身が創った さくらカードがそれを妨げてくれた。 それで、封印されたそのカードは 希望カードとなった。 さくらは、彼に告白するとき、もう自分を好きになって くれないと思っていたが、そうはならず、彼もさくらが好きだと言ってくれた。 さくらは、小狼の気持ちがなくなってないと知って、とても嬉しくなって、 両手を広げて、「大好き」 と言いながら小狼のところに飛び込んでいった。 でも、今は、小狼の夢を見るだけ、というようにすべてが変わろうとしていた。 今晩だけでも、今晩の夢だけはいつもと違う現実のような... 親密な夢にして。

~~~~~~ さくらの夢 ~~~~~~

「ここはどこ?」 と、さくらは自問する。 自分を見ると、さくらは、 花模様のミニスカート、ひまわりのサンダルを履き、腹部にボタンがある ピンクの上着を着ていた。 服がちょっと小さめなので、さくらはてれている。 突然、桜の花のベッドに後ろ向きに落ち、大声を上げた。

「いった〜。」 さくらはお尻をさすりながら声をあげる。 その時、 目の前に広がる景色に気づいた。 自分がペンギン公園にいることに気づき、 積み重なった桜の花びらの上に座り、桜の香りや新鮮な風を感じ、自然の美しさを 眺めた。 突然、目の前に、デニムのジャケットに緑色のシャツを着て、青いジーンズ、 白いスニーカーを履いたカッコいいアジア系の少年が現れた。 さくらには、 それが小狼であることがわかった。 燃えるような褐色の瞳に、しっかりした眉、 それから、無造作な栗色の髪をしていたからだ。 [作者: 本当に 小狼くんですよ!!] さくらは、このハンサムな少年を見てすぐに赤くなり、少年はさくらを 見て笑っている。 さくらはかわいらしくふくれっ面をし、そうすると、 そのアジア人の少年は目の前でひざまずき、笑いをやめた。 さくらは小狼の 目を見て、微笑みを返す。 そして突然、二人は腕を広げて互いに抱き合い、 唇を重ねた。 さくらは小狼の首に腕を回し、小狼はさくらのウェストに 腕を伸ばした。 ...中略... 小狼の手はさくらの背中を撫で、さくらの指は小狼の髪をかきわけている。 16歳の二人は、 気づくと、敷き詰められた桜の花の上に 倒れ込み、さくらの上に小狼が覆い被さっていた。 二人は、地球も粉々に してしまうようなキスをやめ、 息を荒くして見つめ合った。

編集者注: 一部の描写は 省略させていただきました。

~~~~~~ さくらの夢 終わり ~~~~~~

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