59. さくらと知世とボールの罠

さくらはカードの変換にも慣れて、カードを変換しても眠くならなくなった と知世に話した。 すると、知世はさくらのそばにいれば危険なことが 起きても大丈夫だと言ってくれた。 それは、ちょうど体育の時間で、 一対一のバスケットボールのゲームをすることになっていた。 たまたま、 小狼とエリオルが対戦相手に。 小狼がシュートしようとすると、エリオルが ボールを奪い、シュートを決める。 ボールを取っても小狼は、ゲームの 成り行きを見守るさくらに気を取られてばかり。 エリオルは小狼に、 ボールに集中するようにささやきかけ、小狼もゴールを決めた。 その時、 体育の授業は終わる。

さくらと小狼は帰り道、知世の家に寄った。 知世がつくったコスチュームに さくらが着替えている間、小狼はさくらのことを考えている。 さくらが好きなら その気持ちをさくらに言ってみては と、知世は小狼に勧める。 着替え終わった さくらが出てきて、小狼が告白しようとした瞬間、さくらはクロウ・リードの 気配を感じた。 暗くなって学校に戻ると、自分より前に小狼が事件を知って いたと言ってケロは機嫌が悪い。 小狼は、自分が知世のように、さくらの 役に立っているのか悩んでいる。

バスケットボールがさくらたちの目の前に現れ、廊下で跳ねている。 クロウの気配が強くなり、ボールを追って自分たちの教室に入るが、 ボールが見あたらない。 ドアを開けると、さくらは違う教室がドアの向こうに つながっているのをみた。 ドアを開けるたびに、違う教室がつながっている。 思い切ってドアの向こうに行こうとすると、知世が来る前にドアが閉じてしまう。 空間のつながりがおかしくなっているので、どんなに考えても、知世を見つける いいアイデアが浮かばない。 泣きそうになったさくらを小狼が励まし、 その時、知世の歌声が聞こえてきた。 自分たちが制御室にいることに気づき、 さくらは小狼とケロに学校中の電気をつけるようにお願いする。 さくらは シャドウのカードを変換し、変換されたカードは知世が捕捉されている教室へ さくらたちを導いた。 すると、クロウの気配はおさまり、学校ももとに戻った。

帰る途中、泣きそうになった時、小狼が励ましてくれたことを、さくらは 知世に話した。 これまでも、困った時には小狼が力になってくれていたので、 さくらは小狼にずっと感謝していたのだった。 しかし、小狼が想いを さくらに打ち明けようとした瞬間、ケロが乱入して雰囲気は壊れてしまった。

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60. さくらと大切なお友達

小狼は、さくらがエリオルと話しているのを見ながら、前の晩、さくらに 告白しようとしたことを思い出す。 知世が小狼にいつ告白するつもりかと尋ねると、 小狼はその前にやることがあると答えた。 実は、小狼は苺鈴に電話して、 冬休みに話すことがあると伝えていたのだった。 驚くことに、苺鈴はいてもたっても いられず、苺鈴はその日のうちに日本に直行してきた。 さくらは、その 思いがけない再会に大喜び。 しかし、苺鈴が次の日に香港に帰ると聞くと、 放課後 一緒に遊びに行こうと誘う。

さくらと苺鈴と知世と小狼で、放課後一緒に歩いていると、さくらはとても 嬉しくて、苺鈴を見て、ずっと、にこにこしている。 不思議なことに、 四人がペンギン公園の前にさしかかると、石でできたペンギンが飛んできて 攻撃してきた。 小狼は魔法を使って反撃し、苺鈴はカンフーで 応戦している。 しかしながら、ペンギン大王の滑り台が浮上し、 そのまわりをペンギンの飾りが取り囲み、戦闘態勢にうつった。 怖がる さくらに対して、苺鈴はフリーズのカードを使うように言う。 さくらは フリーズを変換し、ペンギンたちを凍りつかせ、そこを小狼が 雷の魔法でとどめを刺した。 しかし、小狼がさくらを名前で呼ぶのを聴いて、 苺鈴の表情は曇ってしまった。 その変化に気づいた知世は、苺鈴に、 何かあったら思い出してくださいと言って力づけた。

小狼のマンションに戻り、小狼が言うべきことを言い終える前に、 小狼がさくらを好きになったことを苺鈴は気づいていた。 婚約破棄を宣言し、 苺鈴はそそくさと知世の家に向かう。 小狼は苺鈴を追おうとしたが、 偉がそれを制した。 知世の家に着くと、苺鈴は知世の膝の上で、心いっぱい 泣きはらした。 苺鈴はさくらがいい子だと思っているので、どうしても さくらを嫌いになることはできないが、それでも、苺鈴は泣かずには いられなかった。

次の朝、苺鈴は婚約破棄から立ち直ったかのように振る舞い、さくらとうまくやる ように小狼に念を押す。 そして、苺鈴は香港行きの飛行機に乗った。 数日後、 三人は、それぞれに、苺鈴から手紙が届いた。 手紙を読み、三人は、 香港にいる親友の心を感じるのだった。

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61. さくらとカードとプレゼント

ミラーは他のさくらカードと話をしていた。 さくらが4枚のカードを変換して 戻ってきたので、ミラーは窓を開けてさくらを部屋に入れる。 ミラーは何かを 言おうとしたが、ドアがノックされたので、そのままカードに戻るしかなくなった。

翌朝、学校に行く途中でさくらは家族へのクリスマスプレゼントを何にしようか と考え始め、一方で何かを忘れているような気も感じていた。 さくらと桃矢は、 お父さんに財布を贈ることを決め、4時に校門で待ち合わせをすることに した。 桃矢が教室にはいると、魔力がたりなくなっている雪兎が 疲れ果てたように眠っていた。 心配した桃矢が雪兎に話しかけると、 奈久留が現れて邪魔をする。 一方、日直のさくらが教室につくと、既に 教室には小狼がいた。 小狼がさくらに告白をしようとした時、山崎が ウソの話をしてその間に入り、小狼は文字通り真っ白になる。

授業が終わり、日誌を書くのを小狼に任せて、さくらが音楽室に行くと、 エリオルがピアノの練習をしていた。 弾いていたのは賛美歌で、それには 水や葉のような自然のものに対する感謝の気持ちが込められていると 言う。 さくらが校門まで走ってくると、そこには小狼が立っていた。 その時、 二人はクロウ・リードの気配を感じる。 さくらは、ミラーに自分の代わりに 桃矢に会ってくれるようにお願いする。 さくらと小狼は、ミラーが言おうと していることを言い出せないうちに気配がする方へ走って行った。 桃矢は すぐにやってきたが、目の前にいるのがさくらではないことに気づいた。 すべてを わかっていながらも、桃矢はミラーと一緒に買い物に行こうと切り出す。

その時、さくらと小狼は戦いの真っ最中だった。 敵は、命を吹き込まれた鉄の 手すりで、ヘビのように襲ってくる。 さくらはミストのカードを使って、 手すりを腐食させ土に返した。 変換されたミストのカードを手にとって、 今まで何が気になっていたのかがさくらにはわかった。 桃矢とミラーは 財布を買って喫茶店で休んでいた。 桃矢は、ずっとさくらを助けてくれる お礼に、ミラーにリボンをプレゼントして、ミラーは幸せな気持ちになった。

さくらの部屋でミラーが待っていると、さくらが戻ってきた。 カセットテープを セットして、自分が演奏したピアノ曲を聴かせて、さくらはカードたちへの 感謝の気持ちを述べる。 それに答えるように、ミラーはカードたちを代表して、 カードの主への感謝の気持ちを述べた。 カードの姿に戻ると、ミラーの髪には 桃矢からプレゼントされたリボンが巻かれていた。

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62. さくらと不思議なおみくじ

元日の朝、さくらは楽しそうに着物を着ている。 さくらは1階に降りて 桃矢に新年の挨拶をした。 すると、桃矢はいつものようにさくらを からかい始める。 その時、藤隆が挨拶をしに来たが、仕事があるので、 すぐに部屋に戻った。 さくらは楽しそうに、友達から届いた年賀状を 読んでいたが、山崎の年賀状に書いてあるウソにだまされてしまう。

藤隆の仕事が終わると、さくらと桃矢と藤隆は月峰神社に初詣に 出かけた。 桃矢が言うには、雪兎も来ることになっているのだが、 姿を見せない。 桃矢は様子を見に雪兎の家に行く。 さくらと藤隆は、 偶然、神社に来ていた知世と園美に会った。 知世はいつものように さくらをビデオで撮影し、その間、藤隆は先日おじいさんに会わせて くれた事について園美に礼を言った。 園美は会議があると言って、すぐに、 神社から出て行き、藤隆も家事があるからと言って帰っていった。 さくらと 知世はおみくじを引くことにしたが、そこにはエリオルが 働いていた。 月峰神社には巫女さんがいないのでその代わりという ことだった。 二人におみくじを渡すとき、エリオルはひそかに、さくらの おみくじに魔力を仕込む。 知世のおみくじは普通のおみくじのように大吉と 書いていたが、さくらのは様子が違った。 「真実を探る手立ては 初夢の中に」 と書いていた。 さくらはどうなっているのかわからなかったが、 それは特別なおみくじだ、とエリオルは言った。

ちょうどその時、雪兎の家に着いた桃矢は玄関で雪兎が倒れているのを発見 する。 一瞬だけ目を覚ましたが、力を使い果たし、外出もままならない 状態になっていた。 一方、さくらと知世は小狼のマンションに立ち 寄った。 ウェイが二人を中に入れてくれ、さくらは小狼が作った桃饅頭 をおいしそうに食べた。

家に帰るとすぐ、さくらは雪兎が来れなかったことを話すと、ケロは、 力をほとんど使い尽くしたユエが存在の危機に直面していることを 悟る。 さくらが眠りに就くと、間もなく、昼間引いたおみくじが光り始め、 それに反応してさくらカードも光り始めた。 夢の中で、さくらは誰かが呼ぶ のを聞き、その声に導かれるように、封印の鍵を開放し、ドリームのカードを さくらカードに変換する。 気づくと、さくらは街の上空を飛んでいた。 突然、 月峰神社から闇が沸き起こり、太陽と月を覆ってしまった。 神社の鳥居を 見ると、その上に、誰かが立っていて、その両脇には、蝶のような羽をもった 人物と羽をもった獣がいた。 さくらがうなされているのを心配したケロは さくらを起こした。 夢の中でやったように、ドリームのカードは現実に さくらカードに変換されていた。 さくらが夢のことを話すと、 それは予知夢かも知れない、とケロは言った。

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