55. さくらと不思議の国のさくら

学校の読書週間ということで、さくらは校庭で 「不思議の国のアリス」 を読んでいる。 さくらが休憩をしているとエリオルがやってきて、本のしおりにと木の葉を手渡してくれた。 イギリスにはさくらが読んでいる本の挿絵のような場所がいくつもあるとエリオルが言うと、 さくらが言ってみたいというので、エリオルは連れて行ってさしあげましょうか、とささやく。 それを見た小狼は沸騰したように怒っている。

さくらたちは、放課後、図書館で本の続きを読むことにした。 図書館でも、さくらがエリオルと話をするたびに小狼はカッカとしてばかり。 そんな小狼の気持ちに気づいている知世は笑っている。 本に挟んだ木の葉のしおりを触ると、さくらは本の中に吸い込まれてしまった。 気づくと、さくらはアリスの世界にいた。 すると、チェシャネコの姿をしたエリオルが現れる。 次に、女王様のところへ急いで走るウサギに扮した雪兎を見かける。 さくらが、そんな雪兎に追いつくと、雪兎はユエに変身し、 さくらを抱えて飛び上がり、女王様のところについたと言って、 上空でさくらを放す。 さくらは落下しながら悲鳴を上げる。

その時、小狼とさくらを本から救い出そうとしているが、 強い力を感じるものの、どうしたらいいか見当もつかなかった。 気づくと、さくらは椅子に座っていて、テーブルを挟んで、 帽子屋を演じる桃矢がいた。 桃矢が出した紅茶を飲むと、 さくらはたちまち、小さくなってしまう。 さくらは風で飛ばされ、それを捕まえてくれたのは小狼だった。 しかも、双子のように二人いて、トーイドルダムとトーイドルディと 名乗っていた。 さくらは小狼の出したクイズに答えることができなかったので、 不思議の世界から抜け出す方法を聞き出せず、小狼は姿を消す。 さくらはびっくのカードを変換してもとの大きさに戻ろうとするが、 大きくなりすぎ、リトルのカードも変換することに。 もとの大きさに戻ると、さくらの目の前にいたのは、 ハンプティ・ダンプティ役の知世で、巨大なチェス盤の上で 女王様とチェスをしていた。 その女王様とは、実はケロ... 女王様 (ケロ) は、ゲームを邪魔されたと憤慨して、さくらを追い回すが、 その時チェシャネコのエリオルが現れ、本当の世界と不思議の国をつなぐ出入り口は 一つしかないと教えてくれる。 つまり、その世界に入ってきた入口が、 出口でもあるということ。 さくらはケロの火炎攻撃をよけながら、 空の上に見える木の葉のしおりを目指し、命からがら、外に逃げ出すことができ、 無事に図書館に戻った。

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56. さくらとケロのお菓子な出会い??

ケロがテレビゲームに熱中している時、さくらはつくっていた洋服の襟に首が通らなくて叫び声をあげる。 襟を閉じていた糸を切りながら、その服が翌日のバザーで着る制服だとさくらは説明した。 バザーでお菓子がいっぱい出ると聞いて、ケロは自分も行きたいとせがむ。 ちょうどその時、エリオルも制服をつくっていたが、奈久留もバザーに行きたいと言った。 スッピーはチョコレートが嫌いだが、それは、甘いものを食べると問題を起こしてしまうからだと、 エリオルがつけ加えた。

翌日、友枝小学校でバザーが開かれ、さくらのクラスはパーラーを開いている。 知世は相変わらず、さくらをビデオ撮影している。 実は、あらかじめさくらはケロにチョコレートをいっぱいわたして、 人前に出ないようにしていた。ケロはもらったチョコレートに満足していた。 さくらの教室に雪兎と桃矢が来ると、さくらは喜んで注文を取りに出てきた。 雪兎はお菓子を喜んで食べ、一方、桃矢はエリオルから出る魔力の気配を感じ取っていた。 その時、奈久留はスッピーを連れて来て、ケロはバスケットの中に隠れる。 スッピーが学校に入りたくないと言うので、奈久留は一人で学校に入って行った。 ケロがバスケットから出ると、ケロとスッピーは、はち合わせしてしまう。 正体を明かすことはエリオルの計画の妨げになると思い、スッピーは正体を隠すことにしたが、 ケロはスッピーのことを日本の妖怪だと思いこんでしまう。 お近づきの印にと、ケロはスッピーにお菓子を勧め、スッピーの口に、 いやというほどお菓子を押し込む。 スッピーはすっかり酔っぱらって、 異様なほど明るく振る舞い、お菓子を求めて飛び出した。 スッピーは学校中を飛び回り、見つけたお菓子を食べ尽くしていく。 ケロが追いついてスッピーを止めようとすると、スッピーは怒って火の玉を吐き、 木を倒してしまう。

ケロは慌ててさくらのもとに飛び、さくらにスリープのカードを使うように言う。 なにをやりたいのかわからないまま、さくらはスリープをさくらカードに変換して、 まわりの人たちを眠らせる。 ケロがまた止めに来ているのを見ると、スッピーは火の玉を吐くが、 ケロは真の姿に戻り、スッピーに向かって火を吐いて反撃し、スッピーを吹き飛ばす。 さくらと知世はケロのところまでは知って出てくるが、 学校中のお菓子を食べた犯人がケロだと思っていた。 ケロがどんなに説明しても、二人はケロがウソをついていると思っている。

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57. さくらと小狼とエレベーター

学校から帰ってきた小狼は、自分で作ったクマのぬいぐるみに目をやる。 小狼は自分の気持ちを必死でごまかすかのように剣の練習を始める。 どんなに必死になっても、視線はぬいぐるみの方に行き、さくらが笑う姿が 脳裏をかすめる。

次の朝、利佳がさくらに、デパートで催されているテディベア展の話をして、 自分は別の用事があるから行けないと言った。 それでさくらは 知世と一緒に行くことにする。 さくらがエリオルを誘っている時、 それを見た小狼が怒りながら教室に入ってくる。 でも、自然の成り行きで、 小狼も一緒に行くことに。 授業の間中、自分がさくらを前のように 見ることができなくなり、さくらを特別に思い始めていることに気づいて、 小狼は動揺する。 学校から飛び出し、雪兎にぶつかった小狼は、 雪兎の買い物を手伝うことに。 買い物の途中で、さくらのことが好きだと 雪兎に言われて、小狼は走り出し、さくらのことが好きなのかと自問する。

翌日、展覧会でさくらは、はしゃぎまわり、展示品に満悦している。 クマの顔がくり抜いてあるところから顔を出して写真を撮ったり、 巨大なクマのぬいぐるみのてっぺんに上ったりして、笑っている。 無邪気に振る舞うさくらを見ながら、小狼は穏やかな気持ちを感じている。 さくら、小狼、知世、エリオルの四人で飲み物を飲みながら休んでいると、 先日、小狼が手芸屋さんで買ったぬいぐるみセットの話になり、 小狼は真っ赤になって立ち上がり、照れ隠しをするように、 もう帰ろうと言いだした。 小狼と、追いかけてきた さくらが エレベータに乗ると、エリオルは魔法で仕掛けをして二人を エレベータに閉じこめてしまう。 暗闇に閉じこめられ、 さくらは泣きそうになったが、そんなさくらを小狼は 魔法で明かりを灯して元気づける。 二人で話をしていると、突然エレベータの床に穴が開き、 さくらがその穴から落下するが、小狼はさくらの手をつかむには 間に合わなかった。 なにもできず、闇に落ちていくさくらを見ながら、 小狼は 「さくら!」 と叫ぶ。 すると、間一髪、フロートを変換したさくらが、 フロートに乗って戻ってきた。 安心した小狼はさくらを抱きしめ、 その時、何事もなかったかのように、エレベータの扉が開く。

小狼が家に帰ると、ケータイがなった。 さくらからの電話で、 「さくら」 と呼んでくれたことが嬉しかったと言った。 さらに、これから 「小狼くん」 と呼んでもいいかと、さくらに訊かれ、 てれながら、呼んでもいいと言った。

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58. さくらと二人の大ピンチ

クロウの気配を感じたさくらと二人の守護者は、知世と小狼と一緒に ペンギン公園にやってきたが、おかしなものが見あたらない。 ケルベロスは 周囲を飛び回って調べるが、やはり何も見つからなかった。 そのうち、 雨が降り始め、解散して家に帰ることに。 玄関先でケルベロスが仮の姿に 戻ろうとした瞬間、さくらは再びクロウの気配を感じ、ケルベロスは 変身できなくなってしまった。 ユエも試してみたが無駄だった。 さくらは、 桃矢がテレビを観ていることを確認し、窓から守護者を部屋に入れる。

次の日、日曜日の朝、ユエとケルベロスは仮の姿に戻ろうとしてみたが、 依然と元に戻れない。 朝食のすぐ後、桃矢はバイトに出かけ、藤隆も 仕事に出かけた。 その日は、さくらが家事をする番だった。 すっかり慌てている さくらを しり目に、ケルベロスはどうやって自分を仮の姿に戻すか考える前に 家事を片づけた方がいいと言った。 さくらはケルベロスに家事の手伝いを するように頼むが、同じことをユエに言うことはできなかった。 クロウと同じように、さくらもユエを甘やかすといって、ケロはご機嫌ななめ。 その時、ドアのチャイムが鳴り、さくらが出てみると、宅配便で荷物が届いていた。 廊下の影からケルベロスが手伝いの手を差しのばしたので、宅配業者の人は 帰り際に不審な顔をする。 さくらが夕食の準備をしている間に、ケロは洗濯機を 回し始め、しかし、ユエは何もせずに立っているだけ。 起こったケルベロスは ユエに小麦粉の袋を投げつけようとするが、さくらが止めに入り、運悪く、 ケルベロスの上に小麦粉をまき散らしてしまう。 ケルベロスの言うように、 さくらは浴室でバブルのカードをさくらカードに変換してケルベロスを洗う。

キッチンに戻ってみると、すでに、ユエがキッチンを片づけてくれていたが、 ユエはそんなことなど知らないという表情でじっと立っていた。 さくらは ユエにお礼を言って、冷蔵庫から宅配の荷物を取り出すと、中にはカニが 入っていた。 それを見て、とっさに名案が浮かび、さくらはシールドの カードを変換する。 その結果、ケルベロスとユエは無事に仮の姿、ケロと 雪兎に戻ることができた。

その時、柊沢邸では、さくらの活躍を見ていたエリオルとその守護者たちは、 シールドを使って大切なものを外部の力から保護するという、さくらの思いつきに 感心していた。

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