44. さくらとケロとふしぎな先生


よく見るあの夢、さくらは東京タワーの前のビルの上に立ち、タワーには観月先生が、そして今回は他の人がいるのも見える。 その黒い人影は、長い髪をして翼をもち... その時、目覚まし時計が鳴り、さくらは間違ってぬいぐるみをつかみ取る。 日曜日の朝だけど、知世と小狼と一緒に、弓道の試合がある雪兎の応援に行くために、さくらは早起きすることになっている。 ベッドの上にあったぬいいぐるみが、バトルコスチュームを着たさくらに似ていることにケロは気づく。 そのぬいぐるみは、実は、クロウカードの封印が解かれる一週間前に、知世がプレゼントしてくれたもので、自分が作った服を着ているさくらを表現したものだった。 さらに驚くことに、ぬいぐるみが着ている服は、夢の中のさくらが来ている衣装と同じものだった。

さくらがお弁当の準備をしているうちに、知世と小狼が迎えにやってくる。 また、今回はケロも一緒に行きたいという。 さくらたちは電車に乗って、弓道大会があるお寺に来た。 そこは東京タワーの近くだった。 雪兎の腕前はすごくて、放った矢はすべて的の中央にささり、その勢いで決勝戦まで勝ち進む。決勝戦での相手は、なんと、観月先生。 先生の腕前もすごく、決着がつかない試合のように見える。 激しい勝負の間に、ケロは強い魔力を感じ、リュックサックから顔を出す。 ケロが 「ユエ」 とつぶやいた瞬間、観月先生はハッとして、的から矢をそらし、結果的に雪兎が優勝する。

その後、さくらと知世と小狼が、お寺の境内で雪兎と一緒にお弁当を食べている。 ところが、リュックに隠れているはずのケロちゃんが、いつの間にかいなくなっていることにさくらは気づく。 さくらはお寺中を走り回り、ケロが観月先生と話しているのを見つける。 観月先生は強い魔力をもっているので、ケロがいたことは最初から気づいていた。

さくらたちが雪兎と観月先生と一緒に歩いていると、地面が地震のように揺れ、地鳴りを起こす。 最後のクロウカードの仕業だ!


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45. さくらと最後のクロウカード

地面は揺れで地鳴りを起こし、さらに、巨大な柱のように、あちこちが隆起する。 これは、アーシーという最後のクロウカードの仕業。 さくらはスリープを使って周囲の人を眠らせ、みんなのことを小狼に任せ、フライに乗って飛び上がる。

辺りに亀裂が走り、地面が盛り上がって、街が壊されるのをさくらは見ている。 すると、竜のような岩石の怪獣が現れ、さくらを攻撃する。 ウォーティで頭を切り落としても、もとどおりになり、さらに、ファイアリで攻撃すると、 燃えさかる岩を投げ返され、返り討ちにあってしまう。 ケロは急いでさくらをくわえて、その場を離れる。 ケロが言うには、アーシーを攻撃カードで倒すことはできなく、しかも、最後のカードの捕まえ方はさくらが考えなければならない。 ジャンプのカードで飛び上がって、まわりを眺めていると、あおれほどの強い揺れでも、樹が一本も倒れていないことに気づく。 樹は、その根で土を蹂躙する。 さくらは思いきって、ウッドのカードを使うことにすると、カードから蔓 (つる) が飛び出して、怪獣に巻きつく。 さくらは無事にカードを封印でき、ケロは、トラのようなカッコいい本来の姿に戻る。

カードがすべてつかまった記念すべき日ということで、知世は、さくらと小狼に、特別な衣装に着替えさせる。 さくらがカードに名前を書くと、肌寒い風が吹き、なんと、雪兎は長いグレイの髪で翼をもった人になってしまう。 実は、雪兎はクロウカードの第二の守護者ユエで、月の魔力を支配する。 ユエはクロウカードの主候補が、本当にその資格があるかを審判するために現れた。 まず、ユエは小狼を選び、お寺の屋根の上に運び、自分を倒せと小狼に言う。 小狼がタイムのカードを使うと、それが月の配下カードなので、魔力がはじき返され、 小狼はボロボロに負けて、さくらたちのもとに戻される。

ユエはさくらを催眠状態にして、ビルの屋上に運び上げる。 気づくと、あの見慣れた夢のように、目の前に東京タワーがある。 ユエは、最後の審判の開始を告げる。


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46. さくらと最後の審判

どうして本当は雪兎だったユエと戦わないといけないのか、どうして、クロウカードをみんな捕まえたのに、終わりにならないのか、 さくらは混乱していた。 今、目の前に見えるものは、以前、夢の中で見たことがあるもの。

ユエはもう一度さくらを催眠状態にして、ジャンプのカードでユエがいる東京タワーにさくらを来るようにしむける。 タワーの第一展望台の屋根にたどり着くと、さくらは意識を戻す。 さくらは、本当は雪兎だからユエを傷つけることはできないと言って、戦うことを拒む。 ユエが結晶を弾丸のように放つと、さくらはフライで逃げ出す。 ユエはさくらを追い、攻撃を続ける。 さくらは何度もタワーに打ちつけられ、最後に、展望台の上に落下する。 負けるとこの世の災いが降りかかるということと、ユエを傷つけたくないと言うことで、さくらはジレンマに悩んでいる。 そういう思いから、さくらはウッドのカードを使ってしまうが、それは間違いだった。 ウッドはユエの支配下なので、魔力ははじき返され、さくらは蔓 (つる) で巻き付けられてしまう。 この世の災いとは、一番好きな人への好きという気持ちを忘れることだった。 さくらの視界は真っ暗になる。

さくらは目覚まし時計で起き、急いで階段を下りると、なにかがおかしい。 桃矢はさくらをいじめないし、テーブルの上に写真が飾っていない。 学校に行ってもなにかがおかしい。 知世は親友ではなくなっているし、小狼も変わってしまっている。 さくらの生活に、以前のような活気がなくなっている。 放課後、衝動的に雪兎の家に歩いていくが、そこは廃墟だった。 孤独感を感じ、泣き出しそうになると、 さくらの名を呼ぶ声が聞こえてきた。 確かに、自分のまわりから、自分の名を呼ぶ声が聞こえる。

さくらは意識を取り戻し、自分を拘束する蔓をはじき飛ばした。 後ろには、観月先生が立っていた。 先生が、クロウ・リードが作った鈴を使ってさくらを呼び戻してくれた。 さくらが 「大丈夫」 の呪文を言うと、封印の杖は形を変える。 新しい杖でウィンディを使うと、さくらは、見事にユエを風のカプセルに閉じこめることができた。 そして、ユエはさくらを新しいクロウカードの主として認める。 目を閉じると、さくらはクロウ・リードに会う。 クロウはこれまで、偶然を装って、さくらのまわりに必然を置いてきたことを言う。 新しい杖は、太陽でも月でもない、さくらの星の力によって創られたこと、 さらに、さくらの星の力は、常に進むべき道を照らす大きな光を放つようになると、クロウは言った。

みんなが待っている地面にたどり着くとさくらは目が覚める。 さくらはクロウカードの主になった。 ユエはまだ、さくらの魔力がクロウカードすべてを支配するには不十分だと懸念しているが、 ケルベロスは、二人で仮の姿のままさくらのそばにいて、必要な時にさくらを助けてあげればよいとユエに言う。

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