36. さくらと冬の新学期

さくらはまた東京タワーとクロウカードの夢を見る。 今度は、タワーの上に立っている黒い人影が誰かもなんとなく、観月先生だとわかる。 それから、さくらはケロに起こされる。 新学年最初の日で、その日、さくらは小学五年生になった。

通学途中に、さくらにいいことがあった。 進級祝いと誕生プレゼントを兼ねて、雪兎がプレゼントをくれる。 さらに、クラス担任が観月先生になって、さくらは驚いて喜ぶ。 観月先生が不思議なことを言ったその時、春というのに、雪が降り始める。

さくらが家に帰っても、依然と雪が降っている。 雪兎からもらったプレゼントを開けてみると、中には腕時計が入っていた。 さくらは喜んで腕時計をつけてみる。 夕食を作っていると、雪にまみれて桃矢が帰ってくる。 なんと、外は1メートルくらい雪が積もっている。 スノウのカードの仕業だった。

さくらと知世とケロが、カードを捕まえるためにペンギン公園に来ると、小狼と苺鈴もやって来た。 突然、吹雪が発生し、さくらと小狼の後を追いかける。 その吹雪は魔力のあるものを狙っているようである。 さくらと小狼はフライに乗って、夜空に舞い上がる。 どんなに急いで逃げても、吹雪は渦を巻きながら二人を飲み込もうとする。 逃げるうちに腕時計をなくしていたことをさくらは気づき、 怒ったさくらは月峰神社の鳥居に降り立ち、ファイアリのカードを解き放つ。 ファイアリは街中の雪を融かし、そのおかげで、さくらはスノウを封印する。 その後、腕時計のことを悲しんで泣いていると、観月先生が腕時計を持ってきてくれる。 それから、観月先生はゆっくりと月峰神社に戻っていく。


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37. さくらと消えた知世の声

さくらたちは花見を楽しんでいる。 知世がカラオケを歌っていると、怪しい光が桜の樹の中を漂う。

最近、次の合唱コンクールでソロを歌うことになっているので、知世は課題曲を練習している。 チアリーディングの練習をしている間、さくらは知世の歌を聴き、もっとよく聴こうと音楽室に近づいていく。 すると、クロウカードの気配がした。 さくらは気づいたのだが、カードは音楽室に飛び込んで、知世の繊細な声を奪ってしまう。 すぐに、知世のボディガードが迎えに来て、知世を病院に連れて行った。 後にケロが言うには、それはボイスのカードの仕業で、気に入った声を盗んでしまったということだった。 知世の母、園美は心配して、社長でありながらも次の日に会社を休んで知世と一緒にいると言ってくれた。 知世は健気にも 「心配しないで」 と書いてみせるので、園美は娘を抱きしめ、無理をしないでと言う。

翌日、さくらと小狼は知世の見舞いに来る。 知世は大丈夫だと笑ってみせるので、さくらはこの出来事が自分のせいだと悩んでしまう。 どんなに長い間、一生懸命考えても何も思いつかない。 それでも知世は明るく振る舞うので、さくらは泣き崩れてしまう。 この時、小狼は、ソングのカードに知世の声で歌ってもらおうと言い出す。 小狼のにらんだとおり、盗んだはずの声を聴いたボイスのカードは姿を見せる。 小狼はお札を使って部屋を魔法的に閉じ、さくらはボイスを封印する。 カードのいたずらから解放され、知世は声を取り戻す。

合唱コンクールで、知世の澄んだ声がソロを歌うのをクラスのみんなで聴く。 知世は、さくらを大切に思う気持ちで歌を歌う。


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38. さくらの楽しいいちご狩り

さくらのクラスはいちご狩りにやってきて、さくらは、学校の休みを利用して農園でバイト中の雪兎と桃矢に鉢合わせる。 さくらたちは、午前中にいちごを採って、午後にそのいちごでケーキを作る予定になっている。

さくらは、できるだけおいしい いちごを採ろうとしているけど、 どれがおいしい いちごかわからないので、いちごを採るのに悩んでいる。 雪兎がやってきて、おいしいいちごに見分け方を教えてくれる。 さくらはその甘いひとときにはにゃ〜ん。 小狼は嫉妬して、無言で、自分が採ったいちごを雪兎に差し出す。

ところが、午後にケーキを作ることになっていた土蔵が開かなくなってしまったので、 午後の予定が中止になるという知らせをさくらたちは聞いてしまう。 驚いて、さくらと知世と小狼と苺鈴は、土蔵まで走っていくが、扉は簡単に開く。 奇妙なことに、四人が土蔵に入ると、扉は勢いよく閉じて、さくらたちは閉じこめられてしまう。 それはロックのカードの仕業だと小狼は言う。 ロックは特殊カードなので、攻撃魔法で捕まえることはできない。 その魔法を開けるための鍵がどこかにあるはずだと知世が言ったので、みんなで土蔵の中を探し始める。 探しいる途中で、さくらは鴨居から落ちそうになり、鴨居にぶら下がると、 窓の外で観月先生が胸元を指さしているのが見えた。 封印の鍵を使うように合図しているとさくらは思い、鍵穴に封印の鍵を差してみる。 すると、ロックのカードが実体を現して暴れる。 小狼はお札で鍵穴をふさぎ、ロックが鍵穴に戻らないうちにカードを封印する。

カードを捕まえたおかげで、さくらのクラスは予定どおり、土蔵でケーキを作ることができた。 さくらは焼いたケーキを雪兎に持っていき、雪兎はおいしそうに食べる。 これで、すべて丸くおさまったように見えた。 さくらがケーキを持って帰らなかったので、ケロが怒ったことを除いては。


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39. さくらのふらふら熱曜日

雨の降る朝、さくらが起きると熱っぽく、頭がフラフラしていた。 しかし、藤隆は楽しみにしていた発掘のチャンスが巡ってきたので、さくらは、熱のことをお父さんに言わないで、と桃矢に言う。 さらに、さくらは班で作っているポスターを仕上げないといけないので、無理をして学校に行く。

算数の時間、さくらの頭はクラクラしていた。 観月先生はさくらの具合が悪いことに気づいて、知世にさくらを保健室に連れて行ってもらう。 保険の先生はさくらに帰った方がいいと言い、苺鈴と知世と小狼は、さくらが家で寝ていてもポスターを仕上げると約束する。 その時、観月先生は心の中で桃矢を呼び、さくらを連れて帰るようにお願いし、雨の中、さくらをおぶって桃矢は帰る。

さくらを寝かせ、熱を計ると、桃矢は薬を飲む前に食べた方がいいと言って、料理をしに台所に降りていく。 その間に、友枝町の上空に気味の悪い雲が渦を巻き、さくらは魔力の気配を感じてベッドから起きあがる。 クラウドのカードの仕業であったが、ケロは外に出ようとするさくらを止めて、外出すれば容態も悪化するし、桃矢も怪しむと注意する。 無謀にもさくらは、ミラーのカードに身代わりをお願いし、フライに乗って外に飛び出す。 既に、小狼と苺鈴がカードを捕まえようとしているところに出会う。

一方、桃矢はおかゆを持ってさくらの部屋に戻ってきた。 ミラーは起きあがっておかゆを食べる。 しかし、桃矢はベッドにいる女の子がさくらではないことに気づいているが、自分がさくらのしていることに気づいていることは内緒にしてくれとミラーに言う。 ちょうどその時、捕獲現場では、小狼は剣を使って雲を切り裂き、魔法で雲に火をつけるとクラウドは姿を現した。 さくらがそれを封印すると、封印したカードは小狼のもとに飛ぶが、小狼はカードをさくらに譲る。

家に帰るとさくらの具合は悪化して、熱にうなされながら寝ている。 桃矢が医者を呼びに行こうとすると、亡くなった母、撫子が降りてくる。 撫子が優しくさくらの頭に手をおくと、すぐに熱は下がり、さくらはそのまま眠ってしまう。 撫子が天に戻ると、さくらの具合が悪いことをなんとなく察した藤隆が戻ってきた。

翌朝、さくらはすっかりよくなって、朝食を食べに降りてくる。 前の晩に撫子がいてくれたことをなんとなく感じていたさくらは、撫子の写真に 「ありがとう」 と言う。

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