Cardcaptors The Movie

あらすじ

香港へ

さくら (Sakura) は封印の杖に乗って空を飛び、それを狙って精霊が弓を射る。 矢は 何本にも増え、さくらを襲う。 さくらは矢をよけるが、そのうちの一本が 当たりそうになった時、小狼 (Li) が雷の魔法で助けてくれた。 さくらはウィンディを 使って矢を止めて、アローのカードを封印する。 封印されたカードを取ると、 ケロ (Kero) は、さくらが立派なカードキャプターになってきていると 言ってほめる。 その晩、さくらは帯に巻き付かれて、水に引きずり込まれる 夢を見た。

終業式の日、さくらのクラスは寺田先生 (Mr. Terada) から通知票を受け取っている。 さくらはオール3で、知世 (Madison) はオール5だった。 小狼は母親に通知票を見せないといけないので、 すごく緊張している。 おそるおそる通知票を見ると、なんとか見せられる と言ってほっと一息をつく。 一方、苺鈴 (Meilin) はオール5ではないと 言って大騒ぎ。
通知表を渡す寺田先生が読み上げる生徒の名前: 佐藤、白石、杉本、鈴木は、北米版では Jeffrey (ジェフレイ)、Kimberly (キンバリー)、Harrison (ハリソン)、 Ally (アリー) です。日本語版では五十音順のようですが、 北米版は何の順番でしょう?

帰り道、さくらと知世はツインベルに立ち寄り、そこで、さくらはノートを 買う。 店長の真樹 (Maggie) は友枝商店街で福引きをしていて、買い物をした人は クジを引けると言った。 驚くことに、さくらは特賞の香港旅行を当てて しまった。 家に帰ると、藤隆 (Aiden) は出張があるから旅行に行けないと言ったが、 桃矢 (Tori) が一緒に行くならということでさくらの海外旅行を許してくれた。 また、 その旅行に、知世と雪兎 (Julian) を招待することに。

空港に着くと、目の前で飛行機を見るさくらは大はしゃぎ。 知世は いつものようにさくらを撮影している。 桃矢は、飛行機に乗る時は 靴を脱ぐと さくらに嘘を教える。 靴を脱ごうとした時、キャビン アテンダントが声をかけてくれ、さくらは恥ずかしくなり、桃矢に 怒りの表情を見せる。 雪兎はさくらの隣に座り、招待してくれて ありがとうと言ってくれた。

ホテルの部屋に到着して、ケロは、クロウ・リード (Clow Reed) と香港に 住んでいた頃と比べてすっかり変わってしまったので、仰天してしまう。 さくら一行はフェリーに乗って香港島へ移動する。 さくらは船に並んでカモメが飛ぶのを 見て上機嫌になり、知世はそんなさくらを撮影する。 香港島に着くと、 香港はすっかり変わってしまったが、昔のままの強い力の気配が残っている、 とケロは言う。 この世に偶然はないとクロウが言ったように、さくらが 特賞を引き当てたのもなにかの理由があるかもしれないと、ケロは 意味ありげに言った。

不思議な小鳥

さくらは、地下室で水面に立っている奇妙な夢を見た。 今度は、 女性の魔導師が明かり取りのそばに浮かんでいる。 その謎の 魔導師からなびく帯をつかもうとした時、さくらは目を覚ます。

さくらたちは、昼食を食べにレストランに入った。 雪兎はテーブルいっぱいの 点心を注文し、さくらと知世は唖然とする。 好きな点心のカゴを取ると、 ケロがカゴに隠れて点心を食べているのを発見し、さくらは声を あげてしまう。 桃矢は、さくらが何を隠しているのかつきとめようとするが、 さくらはひきつった笑いをしながらも、なんとかごまかすことが できた。 ガイドブックを眺めながら、桃矢は、食後、バードストリートに 行くことを決める。

バードストリートで、さくらは多くの鳥が一カ所にいる場所を見たことがない、 と言って大喜び。 鳥の中には言葉を覚えるのもいると雪兎から聞いて、 さくらは店頭にいる小鳥に無邪気に笑いながら話しかける。 知世は、 ここでも、そんなさくらを撮影している。 その時、頭上の電線に 小鳥が2羽とまっていて、そこから不思議な力をさくらは感じる。 さくらが その小鳥を見ると、小鳥は飛び去った。 反射的にさくらは小鳥を 追いかける。 さくらはジャンプのカードを使って上空 数十メートル まで飛び上がり、小鳥がどこに飛んでいくのかを見る。 ビルの谷間に 古い井戸があった。 井戸をのぞき込むと、さくらは催眠術にかかったように なってしまう。 運良く、香港に帰ってきていた小狼が現れ、 さくらの意識を呼び戻してくれる。 しかし、さくらは井戸に落ちて、 びしょ濡れになってしまった。

知世はさくらを捜していると、苺鈴にぶつかった。 その時、さくらは 小狼と一緒に戻ってくる。 さくらが突然、一人で走って消えたので 桃矢は怒っていたが、知世が、さくらが着替える場所を見つけないと、 と言ったので、小狼と苺鈴は、さくらたちを小狼の家に招待した。 さくらと 知世はチャイナドレスを、桃矢と雪兎も中国服を着て現れる。 とても にぎやかな小狼の4人の姉は、最初は、さくらと知世を撫でたりさすったり していたが、その興味は、桃矢と雪兎に移っていく。 そこに、小狼の 母親が歩いてきて、さくらがクロウカードをもっていることを直感的に 気づいた。 また、さくらのカバンにケロが隠れていることもお 見通しだった。 小狼の母親は、さくらたちに泊まっていくように言った。

寝室で、ケロはさくらと知世に、李家はクロウ・リードの直系の子孫だから 母親が強い魔力をもっているのも不思議ではないと注釈する。 ケロが言うには、 クロウ・リードはアジア最強の魔導師だった。 深夜、さくらは、また、 不思議な夢を見た。 今回は、さくらは魔導師に捕らえられている。 さくらは 悲鳴を上げて悪夢から覚めた。 それは単なる夢ではなく、さくらの手首には くっきりと縛られていたような跡が残っている。 その時、小狼の母親が さくらを庭に呼びだした。 さくらが香港に着たのは、夢の中の女性に 呼び寄せられたからだ、と小狼の母親は言った。 しかし、夢は さくらがどうすればよいかも教えてくれる、とも教えてくれた。

翌朝、さくらたちは、小狼と苺鈴と一緒に、小狼の家を出発した。 その時、 小狼の母親は、さくらに水に気をつけるように忠告した。

異次元空間

小狼と苺鈴はさくらたちに同行する。 しかし苺鈴は、どうして旅行の 添乗員をしないといけないのかと不服な様子。 実は、さくらに危険が 迫っているから近くにいなさい、と小狼の母親が小狼に言って いたからだった。 さくらの方は、何が自分を香港に引き寄せたのか、 クロウ・リードとはどんな関係があるのか、本当に夢の中に 答えがあるかのか、と考え込んでいる。 雪兎が髪飾りを買ってくれた時、 さくらは、夢の中の女性も髪飾りをしていたことを思い出す。 その後すぐ、 さくらたちの頭上に昨日の小鳥が現れ、さくらと小狼は後を 追った。 ムッとしながら桃矢はさくらを追いかけるが、ジャンプのカードで さくらが飛び上がったので、桃矢はさくらを見失う。 小鳥の気配を追ううちに、 さくらは骨董品屋に来ていた。 店には誰もいなかったが、さくらはそこで 古い本を見つける。 本の表紙には、夢の中の女性が井戸に座っている絵が 描かれている。 その女性が 「こっちへいらっしゃい」 と言っているのが さくらに聞こえ、催眠状態になったさくらは本を開けようとする。 ケロは さくらの手を押さえて本を開けさせまいとする。 最後の手段として、 さくらを平常に戻すために、ケロは手に噛みつこうとしたが、運悪く、 桃矢たちが店に入ってきた。 なにかに取り憑かれたようなさくらを見て、 桃矢はさくらの肩を揺すって正気に戻そうとするが、さくらは本を 開いてしまった。

本から水が噴き出し、正気に戻ったさくらは、気づくと夢でみた 不思議な場所にいた。 その場所には夢で見た魔導師が浮かんでいて、 ずっと誰かを待っているようだった。 しかし、待っているのはさくら ではなかった。 魔導師は、どうしてここに来たのかとさくらに 質問をぶつける。 さくらがクロウカードを使うと、魔導師はそのカードの 正体がわかり、どうしてクロウカードを持っているのかと問いつめながら 攻撃が激しくなっていく。 もう少しで魔導師の水の攻撃にやられそうに なった瞬間、小狼がフリーズのカードを使ってさくらを助けてくれた。 実は、 他の人たちは魔導師によって、すでに、水の球の中に閉じこめられて いた。 小狼は時間かせぎのため、ストームのカードで竜巻を起こして 魔導師を閉じこめ、その間に仲間を助けようとする。 さくらはソードを つかって球の中から知世を救い出す。 小狼は苺鈴を救おうとしたが、 球面は堅く、小狼の剣で切ることができない。 ついに激怒した魔導師が 竜巻を破った。 小狼は、さくらに知世と一緒に逃げるように言うと、 水の球に閉じこめられてしまった。 魔導師は、クロウリードが来ないなら、 閉じこめた人の魔力を使って自分で脱出すると言って、 高笑いする。 逃げなければさくらも捕まってしまう、と言ってケロは さくらを諭し、さくらは涙をこらえて、知世とケロとともに、 間一髪で外の世界へ逃げた。

対決

さくらと知世とケロは骨董品屋に戻ってきた。 さくらは、みんなが捕まったのは 自分のせいだと、自分を責めている。 しかも、異次元空間に行った時の あの本が消えている。一生懸命探しても本は見あたらない。 その時、 ケロは異次元空間にいた魔導師の正体を思い出した。

ホテルの部屋に戻って、ケロはさくらと知世に、女性魔導師の話を した。 あの魔導師は瑞恩 (Sui Yang; スィヤン) という名前で、ある日、 クロウ・リードに出会い、恋に落ちた。 二人が親しくなっていくと、 クロウは彼女に魔法の使い方を教え、魔導師はその力を悪いことに使おうと した。 最後に、クロウ・リードは異次元空間を創って魔導師を 閉じこめた。 それはかなり昔の出来事だが、魔導師自身、自分が死んでいる ことにも気づいていないだろう、とケロは言う。 魔導師は、その空間から 抜け出すためにクロウ・リードをおびき寄せようとしたのだった。 クロウカードを 持つさくらが香港に引き寄せられたのもこれで説明がつく。 ケロが言うには、 次元への入口は一つではなく、あの本がなくても仲間を助け出すことは 可能である。 その時、さくらは、本の表紙に書かれていた井戸が、 前の日にさくらが行った場所であることを思い出した。 それが二つ目の 入口だと、さくらは声をあげる。
この部分が日本語版と大きく違う点です。 日本語版では、女性魔道師 (名前は出てきません) は事あるごとにクロウ・リードに 戦いを挑んでいたことになっています。ケロちゃんの話では、彼女は 水占いをする占い師で、暇つぶしに占いをするクロウ・リードに商売の 邪魔をされていたということでした。それで、彼女は異次元空間を創って、 そこに隠れ、彼女の死後もずっとクロウ・リードが現れるのを待っていた、 というのがケロちゃんの見解でしたね。

暗くなって、さくらとケロと知世は、異次元空間への入口と思われる ビルの谷間にある古い井戸に来ている。 さくらは、知世が桜の花を モチーフに作った薄紫のコスチュームを来ている。 井戸には、異次元空間を 封印するためにクロウ・リードが仕掛けた結界が張られている。 結界は さくらの魔力では太刀打ちできない。 そこに小狼の母親が歩いてきて、 全力を込めて結界をこじ開け、さくらとケロは井戸に入っていった。 井戸の 中は多くの異次元空間に通じるトンネルになっていた。 とらわれた友達のことを さくらが強く思うと、行くべき異次元空間の入口が輝いた。
日本語版では、結界はクロウ・リードでなく女性魔道師が自ら 仕掛けたのでした。彼女は、決して誰かに閉じ込められたのではなく、 自分から身を隠していたんですね。

さくらとケロは見たことのない場所に立っていたが、あの不思議な小鳥が 飛び去るのを見た。 さくらとケロは小鳥を追って、バードストリートや 他の場所を駆け抜け、骨董品屋の前まで来た。 ドアを上げると、中は水で 満たされている。 さくらとケロは水中を泳ぎ、水面から顔を出すと、 魔導師がそこにいる。 クロウ・リードはどこかと魔導師が訊いてくるので、 さくらは、クロウが死んだことを言うが、魔導師はそれを聞こうと しない。 魔導師はさくらの仲間を取り込んで上昇すると、 結界を破った。 香港の街が、自分の知っているものから大きく変化している ことを見て、魔導師は息をのんだ。 井戸の外で知世と小狼の母親が、 さくらが飛び出してくるのを待っていると、さくらが現れた。 魔導師は 水を撃ちつけ、さくらは攻撃をかわす。 しかし、魔導師から伸びた帯に 捕らえられ、さくらはビルの屋上で縛られてしまう。 魔導師はバリアを張り、 その中に水を注ぎ込んでさくらを沈める。 水中に沈んださくらは、 クロウ・リードが魔導師を異次元空間に閉じこめようと決心した景色を 見た。 魔導師がしている髪飾りが三番目の異次元への入口だったと、さくらは 気づいた。 さくらはアローのカードを使ってバリアを破り、水をビルの下へと 流した。 さくらは魔導師のそばへ歩み寄り、涙を流しながら、クロウ・リードが 死んだことを言った。 そして、閉じこめられていた魔導師の苦しみをいたわり、 仲間を返してほしいとお願いした。 魔導師は、仕返しをするために クロウ・リードを待っていたのだが、さくらたちに危害を与えるつもりはなかった、 と言った。 クロウ・リードはもういないと納得して、魔導師は姿を 消した。 魔導師の姿がなくなると、魔導師の髪飾りはさくらの手の中で 風化してしまう。 そして、さくらの仲間の姿が戻ってきた。
この北米版では、Clow Reed が Sui Yang (女性魔道師) の髪飾りに 魔法をかけ、破壊工作に及ばないよう異次元世界に閉じ込めたと いうことです。これと対照に日本語版では、髪飾りはクロウ・リードが 贈った誕生日のプレゼントでした。 彼女はクロウ・リードに好意を もちながら自分の気持ちを打ち明けることができませんでした。 事あるごとにクロウ・リードに戦いを挑んでいたのも、 恋の裏返しだったんですね。

次の日、桃矢と雪兎は前の日のことをまったく覚えていないと話している。 一方、 さくらは、あの魔導師は自分が自由になりたかっただけなんだと思い、魔導師を 哀れんでいる。 そして、仲間が無事に戻ったことを嬉しく感じ、近いうちに、 また香港に来ることがあると、さくらは確信している。
Tori と Julian はなんてお気楽な! 一日分の記憶が飛ぶってことは とても恐ろしいことだと思うのに、何事もなかったかのように振舞っているとは。


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